◆イースタン・リーグ ヤクルト2―1巨人(30日・戸田)

 ピンチで圧巻の投球を見せた。巨人の田中将大投手(36)が30日のイースタン・ヤクルト戦(戸田)に先発登板。

4回に四球と安打で無死一、二塁のピンチを招くも、ここでギアを上げた。犠打を試みた矢野に対し、スライダーを5球続けスリーバント失敗。続く高野をスプリットで空振り三振、沢野を膝元へのスライダーで空振り三振。「4、5回はこれかなっていう感じが出てきた。それは前進かな」とマウンドで仁王立ち。全盛期をほうふつとさせる投球で、相手を寄せ付けなかった。

 登板予定だった16日の日本通運との練習試合(G球場)が天候不良のため中止に。2軍で4勝目を挙げた9日のイースタン・西武戦(カーミニーク)から中20日と、久しぶりの実戦登板で5回5安打1失点の好投。桑田2軍監督は「低めのボールがだいぶ決まるようになった。緩急もつけて投げていたので、非常に良かった。あとはスプリットが思うように落ちてくれたら」と評した。

 この日は左足を一塁側に引き、目線を変えずに投球動作に入るフォームで臨んだ。

「スタートの形をどうもっていけば、いいようにつながっていくかなと。久保(巡回投手コーチ)さんは一貫して同じことを言ってくれている。答えは一緒だけれど、その計算式が違う。自分なりにどうやったらその答えに近づいていけるかなっていう感じ」と、復活に向けて試行錯誤を続けている。

 シーズンは残り約2か月。「ここまで一定の間隔で投げられている。春先とは全然違うなと思っています」。日米通算198勝を挙げているベテラン右腕が、勝負の後半戦で巻き返しを期す。(加藤 翔平)

 ◆田中将のここまで

 ▽2月1日 春季キャンプ初日から久保コーチによる1時間超の熱血指導。

 ▽4月3日 中日戦(バンテリンD)で移籍後初先発し5回1失点で日米通算198勝目。最速149キロ。

 ▽5月1日 広島戦(東京D)で2戦連続KOとなり翌2日に登録抹消。

 ▽18日 イースタン・オイシックス戦(八王子)で降格後初登板し3回1失点。

 ▽24日 同・西武戦(Gタウン)で移籍後最長6回1失点。「確実に前進」

 ▽6月18日 同・ロッテ戦(Gタウン)で6回無四球0封で毎回の6K。

 ▽25日 同・DeNA戦(Gタウン)で移籍後最悪14安打を浴び4回2/36失点。

 ▽7月30日 16日の日本通運戦(G球場)中止を受けて中20日で同・ヤクルト戦(戸田)先発し5回1失点。

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