第107回全国高校野球選手権大会(8月5日から18日間・甲子園)に出場する南北海道代表の北海が30日、新千歳空港を出発して空路で関西入りした。自身3度目の甲子園となる桜井悠也二塁手(3年)は、昨年11月から昼食時に“ハイカロリー”弁当を摂取。

体づくりの成果を大舞台でも発揮する。北北海道代表の旭川志峯も旭川空港から空路で関西入りした。

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 北海・桜井が23年夏、24年春に続き聖地の土を踏む。過去2回は控え(出場は24年春1回戦・大阪桐蔭戦の守備のみ)で、初めてレギュラーとして臨む甲子園。大阪出身で、地元関西への凱旋(がいせん)にもなり「甲子園が始まるんだな、という気持ちが一番大きい」と胸を躍らせながら第二の故郷を飛び立った。

 1年生ながらベンチ入りした23年夏は、体重が60キロほどしかなかった。立島達直部長の両親が経営する下宿で取り組んできた朝、夕の食トレの成果もあり、現在は73キロまで増加した。

 昨年11月からは下宿生には昼食も弁当が提供されるようになった。これまではコンビニなどで済ませることが多く栄養に偏りがあったため、野球部OBで札幌市内でジンギスカン店を営む佐藤塁さんに依頼した。

 同校柔道部の食事を作っていた経験もある佐藤さんの妻・敬子さんが手作りした2000~2500キロカロリーの弁当を口にし、多くの選手が夏場も体重をキープしてきた。桜井も昨年までは春から夏にかけて5キロほど体重が減少していたが「最初は(昼食の)量が多くて食べるのがきつかったけど、いつもより体重が落ちない。体調が全然違う」と成果を口にする。

 大阪入りしたため下宿の食事や昼食の弁当とは、しばらく“お別れ”。8月5日の開幕まで食事量を落とすことなく、万全の体勢を整えていく。「食べられなくて寂しいけど、今までお世話になった分、勝って恩返ししたい」。食生活を支えてくれた北海道の“母”たちに、恩返しの白星を届ける。

(島山 知房)

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