◆米大リーグ パドレス5―0メッツ(30日、米カリフォルニア州サンディエゴ=ペトコパーク)

 パドレスのダルビッシュ有投手(38)が30日(日本時間31日)、本拠のメッツ戦で7回2安打0封7奪三振と好投して今季初勝利を挙げ、日本人最多となる日米通算204勝を達成した。

 「たくさん素晴らしい投手がいる中で、やっぱり野茂さんだったり、黒田さんだったりとか、そういう方たちの背中を追いかけてここまで来たので、いつも言うようにまだ同じレベルの投手になったとは思えないですけど、数字で近くに来られたのはすごくうれしいです」と待望の1勝となったマウンドを振り返った。

 円熟の投球術を披露した。初回を無失点で立ち上がると、2回1死でアルバレスを71・7マイル(約115・4キロ)のカーブで空振り三振。続くマウリシオに対してもカウント1―2から71マイル(約114・3キロ)のカーブで2者連続三振を奪った。マチャドの2点適時打で援護をもらった直後の3回は1死からテーラーに右前への小フライを打たれたが、二塁手クロネンワースがダイビングキャッチ。ダルビッシュは頭を抱える驚きのジェスチャーで称賛した。

 4回にシーツの15号2ランでさらに後押しを受け、2巡目に入った4回も、リンドアら上位打線を3者凡退。5回には2死からマウリシオに右前打を許したが、続くバティを一ゴロに打ち取った。5回を2安打無失点6奪三振とし、今季初勝利、日米通算204勝目の権利を得た。6回、7回も3者凡退としてハイクオリティースタート(7回以上、自責2以下)を達成し、降板した。「ちょっと腕を思い切り下げて、それですごくコントロールとか球のキレとかも戻った気がしたので、それをしっかり試合で出せてよかったと思います」と投球を振り返った。

 日本ハム時代の93勝とメジャー通算111勝を合わせ、日米通算204勝に到達。黒田博樹(NPB124勝+MLB79勝=203勝)を抜き、日米通算で歴代最多の勝利数となった。

昨季9月27日の通算203勝目で「リーチ」をかけて以来、307日で到達した。

 今季は右肘炎症などのため開幕前から負傷者リスト(IL)入りしていた右腕だが、7日(同8日)の本拠地・Dバックス戦でメジャー復帰した。それから4試合に登板し、5回を投げきったのは1度のみ。前回登板は復帰後ワーストの3回1/3で8失点を喫した。直球が90マイル台後半(約153キロ以上)に戻っていないことが懸念されていたが、この日は落ち着いた投球を披露。主砲ソトを前日の自打球の影響で欠くメッツ打線を封じた。「やっぱり日本の皆さんはドジャースに勝って欲しいと思っていると思うので、そこを僕たちがひっくり返したいなという気持ちはあるので、みんなで一丸になって頑張っていきたいと思います」と地区首位ドジャース打倒へ改めて闘志を燃やしていた。

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