◆JERAセ・リーグ ヤクルト7―4広島(31日・神宮)

 粘ってつかんだプロ初勝利の味は格別だった。星が最後の打者を打ち取ると、ヤクルトの新人・下川隼佑投手(25)は表情をほころばせた。

お立ち台で「うれしいです」と言葉が弾んだ。

 地面すれすれの低さからボールを投げ込む右下手投げ。テンポよく低めを丁寧について打たせて取った。5回までに8安打を許し、3回に押し出し四球を与えるなど苦しい投球も我慢を重ねて要所を締めた。「勝ち越されなくてよかったです」。打っては4回、右中間へプロ初安打となる二塁打を放ち、初得点も記録。「楽しかったです」と場内のファンを笑わせた。

 昨季、イースタン・リーグに新規参入したオイシックスから育成ドラフト3位で入団し、5月1日に支配下登録。5試合目でウィニングボールを手にした。8月最後の試合を締めて高津監督は「5イニング投げて3点取られてゼロで抑えたのが2回しかないけど、それでも勝てる何かを持っているのかもしれない。8月31日、下川、いい絵日記を書くんじゃないですか。夏休みの宿題でね」と笑わせた。

この日は観戦に訪れた両親の前で晴れ姿を披露。「いつもありがとう。これからも頑張ります」と孝行息子の笑顔が輝いた。

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