◆米大リーグ ドジャース5x―4ダイヤモンドバックス(31日、米カリフォルニア州ロサンゼルス=ドジャースタジアム)

 ドジャース・大谷翔平投手(31)が31日(日本時間1日)、本拠でのDバックス戦に「1番・DH」で出場。初回に2試合ぶりの安打となる右前安打を放ち、連敗ストップに貢献した。

8月は終盤にやや調子を落としたが、月間打率は今季2度目の3割超。2位のパドレスが2差に迫り、昨季よりさらに「ヒリヒリする」9月の爆発に期待がかかる。先発の山本由伸投手(27)は7回4安打1失点で12勝目とはならなかったが、渡米後最多タイの10Kとエースの働きを見せた。

 大谷が響かせた快音が先制点のきっかけだった。0―0の初回先頭。右腕ファットのシンカーを振り抜き、打球速度100・9マイル(約162・4キロ)で右前に運んだ。2戦ぶりの安打からフリーマンの適時二塁打で先制のホームを踏んだ。前日まで2試合で1得点の重苦しい雰囲気を吹き飛ばし、両リーグトップを独走する124得点目となった。

 この日で終了した8月は27試合で打率3割6厘、7本塁打、12打点。12試合連続安打に始まり、9日(同10日)からは4戦連発と爆発した。休養で21日(同22日)に欠場して以降は9試合で打率1割5分2厘と失速。6試合連続長打なしでドジャース通算100号も持ち越しとなった。

それでも、米データサイト「オプタ・スタッツ」によると、9月になる前に45本塁打、90四球、120得点を記録したのは、通算534本塁打を誇り、「最強の右打者」と呼び声高かったJ・フォックス(アスレチックスなど)が1932年にマークして以来93年ぶりだった。

 昨季はポストシーズン(PS)進出を争う「ヒリヒリする」9月を初体験。月間打率3割9分3厘、10本塁打、32打点と大爆発し、前人未到の「50―50」(50本、50盗塁)に到達した。今季もこの日のスミスの代打サヨナラ弾でナ・リーグ西地区優勝へマジック「23」としたが、同2位のパドレスとのゲーム差は「2」。最後まで気が抜けない展開が大谷の心を燃やすはずだ。試合後のクラブハウスではイスに深く腰かけ、タブレット端末を見つめて“一人反省会”を行うなど復調のヒントを探る姿もあった。

 ロバーツ監督は勝負の終盤戦に向けて「最もいいプレーをしている選手を使うべきだし、(レギュラーではない)他の選手が出場機会に値するなら、それを与えるのが当然のこと」としながら、「翔平(大谷)とムーキー(ベッツ)は(不振などでも)常にプレーする」と改めて信頼を口にした。大谷の活躍なくして、ワールドシリーズ連覇は見えてこない。

 9月は2日(同3日)の敵地・パイレーツ戦から9連戦でスタート。大谷は3日(同4日)の同戦に投手として先発予定。投打ともに牙を研ぎ、二刀流としては初めて挑むPSへ加速していく。(中村 晃大)

 ◆24年9月の大谷 19日に3本塁打、10打点を挙げるなど、10本塁打、32打点、打率3割9分3厘で月間MVP。

ド軍は8月終了時に2位パドレスと6ゲーム差。残り5試合時点で2差に迫られるも最後は5連勝。パ軍との直接対決に2連勝した26日に3試合を残して地区Vが決まった。ポストシーズン進出決定は9試合を残した19日だった。

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