◆第96回都市対抗野球大会▽1回戦 ヤマハ4―1ホンダ熊本(1日・東京ドーム)

 7年連続46度目の出場のヤマハ(浜松市)は1回戦でホンダ熊本(大津町)を4―1で下した。2回にコーチ兼任の矢幡勇人外野手(35)が、左越えの先制3ラン。

投げてはエース左腕・佐藤廉(26)が141球完投し、7安打1失点9奪三振の好投で勝利に貢献した。2年ぶりに初戦を突破し、4日の2回戦では大阪ガス(大阪市)と対戦する。

 チームを勢いづかせる一撃だった。2回、2死二、三塁。直球を強振した矢幡の打球は、左翼席へと吸い込まれた。「(ボールが)真ん中に入ってくれたので。ちょっと上がりすぎたかなと思ったんですけど、そのまま落ちずに行ってくれた」と納得の表情だ。「いつまでも矢幡に頼るわけにはいかない」と公言し、チームの若返りを進める申原直樹監督(46)も「すごいバッターだな、と思う。信頼してるし、やってくれると信じていました。感謝しています」とベテランの健在を喜んだ。

 3点リードすると、エース・佐藤廉の投球もさえてきた。ストライク先行で相手に流れをつくらせない。

8回にはソロ本塁打で1点を返されたが、その後は2者連続で奪三振に仕留めるなどで追加点を与えなかった。「予選が終わってからはここで勝つことだけを考えてきた」と佐藤廉。2次予選では3試合に先発し、3勝のうち2試合は完投した。第5代表決定戦では1失点で無四球完投し、勝利に貢献している。「今年は完投することを目標にしているので」。練習の最後にはいつも走ってから終える。血流を促し、翌日に疲れを残さないように心がけているという。

 目標は1990年以来35年ぶりの頂点だ。エースは「ここから勢いに乗って優勝したいです」。4日の大阪ガス戦も、もちろん完投して勝利に導くつもりだ。

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