巨人の新ファーム本拠地・ジャイアンツタウンスタジアムを特集する「月刊Gタウン」。今回は、酷暑対策で巨人と住友ゴム工業が共同開発した次世代型人工芝を特集する。

Gタウンでは、保水力に優れる天然素材を原材料とする充(じゅうてん)剤を組み合わせた人工芝を使用。測定では、従来のゴムチップを使用した人工芝と比較し、表面温度が最大20度ほど低下するデータが得られた。

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 すでにメリットをもたらしている次世代型人工芝だが、改善の余地も残している。敷設したばかりの人工芝はフワフワと柔らかい状態で、打球が左右に不規則にバウンドする“スネーク”と呼ばれる現象が現在でも見られる。藤門氏は「1年くらいたって芝が寝てこないと(バウンドが)安定しない。そこはまだまだ」と明かす。

 硬さの調整も続く。足元が不安定な状態の人工芝では腰や膝の故障が増えるため、天然芝の硬さに近づけることで故障が減るのではないか―と提言する論文もある。現在も硬さを増すための転圧作業を行っており、「天然芝は下が土なので踏んだ時に安定感がある。まだ天然芝ほどのどっしりした感じはないので、柔らかいけれど底で安定して支えてくれる硬さに近づけたい」(藤門氏)。ファンを魅了するプレーは、細部にわたるこだわりによって支えられている。

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