◆米大リーグ パイレーツ3―0ドジャース(3日、米ペンシルベニア州ピッツバーグ=PNCパーク)

 ドジャース・大谷翔平投手(31)は3日(日本時間4日)、敵地・パイレーツ戦に「1番・DH」で先発出場。当初は投手としても先発予定だった大谷はせきなど風邪の症状の体調不良で登板回避となったが、打者のみの“一刀流”で2試合連続マルチ安打と孤軍奮闘の活躍だった。

9回2死では最後の打者となった。

 ナ・リーグ西地区首位のチームは今季8度目の完封負け。9月は初戦から2連敗スタートとなったが、同地区2位のパドレスは4連敗となり、ゲーム差「2・5」は変わらず。地区優勝へのマジックは1つ減って「20」となった。

 試合開始の3時間40分前だった。スタメン発表の1番の欄に大谷の名前あったが、先発投手はシーハンとなっていた。各所に衝撃が走る中、ロバーツ監督が試合前取材で明かした。「彼(大谷は)は昨日から体調不良だった。(試合前に)投球練習のために外に出てみたが、気分が悪くなってトレーナーに知らせた。その時点で彼に確認したところ、『打つのは大丈夫』と保証してくれて、それが(46号を含む3安打で)正しい判断だったと証明された。ただ、病気で脱水の可能性もあった。試合で投げる負担を考えた時にはうまくいかないと判断した」と説明した。

 だが、周囲の心配をよそに躍動するのが大谷だ。2点を追う5回先頭の第3打席。それまで2打席連続で抑えられていたアッシュクラフトから右中間を破る二塁打を放ち、3試合連続安打とした。2ストライクから3球目のチェンジアップを捉え、打球速度108・7マイル(約174・9キロ)と爆速の当たりだった。

 7回1死の第4打席は左腕・シスクから三塁内野安打。全力疾走でマルチ安打を勝ち取り、その後一塁からベッツの大きな右飛で二塁へタッチアップするなど体調不良を感じさせない走塁を見せた。

 9月初戦だった前日2日(同3日)の同戦では3回に7試合ぶりの本塁打となる46号ソロ。ドジャース移籍後100発目となるアーチは打球速度120マイル(約193・1キロ)と自己&球団最速を更新する“光速弾”だった。そして、この日も体調が優れない中で2試合連続の長打と驚かされることばかりだ。

 投手としては5日(同6日)から7日(同8日)の敵地・オリオールズ戦に回る見込み。7日のオ軍先発は菅野智之投手(35)と発表されており、大谷との投げ合いが実現する可能性も浮上した。チームでは正捕手スミスが右手打撲で3回途中交代。

大谷以外にも体調不良の選手らが複数いるというが、アクシデントを乗り越えて2年連続ワールドシリーズ制覇へ歩みを進めていくしかない。

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