ヤンキース傘下3A・スクラントンに所属している前田健太投手が、3日(日本時間4日)、敵地でのウースター戦に先発。ノーヒット・ノーランまで、あと4アウトの快投で、5勝目を挙げた。

8回2死まで無被安打を続けていた前田は、ヒッキーに右中間にソロ本塁打を浴びて、球数100球で降板した。7回2/3を投げて安打は1本塁打のみの1失点。9奪三振、1四球。防御率は5・79となった。前回登板で3回10失点と苦戦したが、この日は最速は94・1マイル(151キロ)をマーク。スプリット、スライダーを効果的に使い、日本の在京球団や韓国球団のスカウトらもが見守る中、好投した。今季はタイガースとの2年契約最終年を迎えたが、5月に事実上の戦力外となり、カブスとマイナー契約。8月に契約破棄条項を行使してヤンキースとマイナー契約した。主な質疑応答は以下の通り。

 ー登板を振り返って

 「前回の登板から修正して投げることができました。ただ、前回だけが良くなかった。これまでずっといい感覚が続いてたんで、前回の結果を引きずらずに、いつも通り投げられた。

特別調子が良かったわけではないけれど、普通に投げられたと思います」

 ーノーヒット・ノーランの雰囲気があった。

 「いや、あんまり考えてないです。球数制限がありますし、全然(9回まで)行こうとは思ってなかった。7回が終わった時に(監督と話して)球数制限があると。それを無視してまでノーヒッターにこだわりたいか、決まった球数で終わるか、どうする?みたいな。僕は球数制限で終わるという選択をしたんです。球数制限を超えるなら、フロントに電話して、確認しなきゃいけないみたい。次の登板もあるし、決まっている球数で終わりでいい、という話をしていた。8回2人で終わりだった。監督が出てきて、球数制限まであと4球いけると言われたんですけど、3球ボールを投げちゃって。フォアボールを出して終わっても面白くないし、申し訳ないと思ったんで、ストライクを取りにいったら、ホームランを打たれました」

 ー降板時に敵地で大きな拍手がおきた。

 「すごいうれしかったですね。

皆、球数の事情とか知らないから、狙って欲しかったと思いますけど」

 ー残り数試合をどのように投げていきたいか。

 「とにかくいい結果を出し続けるしかないと思います。自分が納得できるようなピッチングを続けていきたいです。僕個人だけじゃなく、今、チームが優勝を争ってるんで、投げる試合はしっかり貢献できるように頑張りたいと思っています」

 ー今のモチベーションは。

 「投げる試合は勝ちたい、打たれたくない、抑えたい、いいピッチングしたいっていうのは、どこで投げても変わらないんで。小学生の時も中学生の時も、高校もプロもメジャーもマイナーもそうですけど、とにかく打たれたくない、勝ちたいっていう思いで毎試合投げるんで、そこに関しての気持ちは正直、全く変わることはないですかね」

 ー登板間に、日本球界復帰表明があったが。

 「そこはもうを話さないでおこうと思います。申し訳ないですけど、はい。思ったより、広がったんで。これについては。これ言ったらまた書かれるから、アレなんですけど。とにかくあと1か月もないんで。

言った僕が悪いんですけど。なんか、言っちゃった。チームは勝たないといけない状況で、マイナーのプレーオフとか、優勝することは、貴重な経験になるし、目指してる部分。そこで、(僕が)邪魔になったりするのは、申し訳ない。先発で回らせてもらってるんで、このチームを勝利に導くっていうのは一つ大切にしているところです」

 ー今思い描くシーズンの理想の締めはどういうものか。

 「メジャーリーグに上がりたい。そこは諦めたわけではないです。そのモチベーションを失っているわけではないんで。ただ、自分でコントロールできるものではない。僕もメジャーリーグに長くいて、マイナーで結果残したから、じゃあメジャーっていう簡単なものでもないと理解している。ヤンキースのユニホームを着ることを目標にしてますけど、そこばっかりとらわれると、ケガ人が出ないととか、自分を高めるより、不幸を願うような毎日が続くんで、そうじゃなくて自分を高めることを大切に。その結果、上がれればうれしいなって」

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