◆スポーツ報知・記者コラム「両国発」
フィギュアスケート女子で三原舞依(26)=シスメックス=が復活を印象づけた。8月に行われたサマーカップ(滋賀)で昨年12月の全日本選手権以来、234日ぶりの実戦で3位。
今季ショートプログラムは「戦場のメリークリスマス」、フリーは「ジュピター」。ともに過去に演じたプログラムで臨んでいる。フリーを終えた瞬間、リンクに顔をうずめ喜びをかみしめた。観客はスタンディングオベーションで祝福した。「もしかして夢なのかと思った」。演じきれたことが信じられない様子だった。
2022年グランプリファイナル優勝など、国際大会で活躍してきたが、19年には体調不良で長期休養。昨季は右足首と股関節の負傷で苦しい時期を過ごした。「落ち込んだときは何も考えられない。無の時間を過ごすことが多い。前が真っ暗」。
26年ミラノ・コルティナ五輪を控える今季。「今まで経験したことを生かす番。前向きに生きている」と表情は晴れやかだ。「まだまだ三原舞依は、ここでくじけて終わっちゃう人じゃない。終わりは決めずに、前に進んでいけるところまでいきたい」。氷上に帰ってきた三原の目は希望で満ちあふれていた。次に出場予定の近畿選手権(10月2~5日、京都)でも感動を呼ぶ演技を披露するだろう。(フィギュア担当・富張 萌黄)
◆富張 萌黄(とみはり・もえぎ) 2020年入社。レイアウト、ゴルフ担当を経て五輪担当。