◆プロボクシング ▼WBA、WBC、IBF、WBO世界スーパーバンタム級(55・3キロ以下)タイトルマッチ12回戦 井上尚弥―ムロジョン・アフマダリエフ▼WBO世界バンタム級(53・5キロ以下)タイトルマッチ12回戦 武居由樹―クリスチャン・メディナ ▼WBA世界ミニマム級(47・6キロ以下)王座決定戦12回戦 高田勇仁―松本流星(9月14日、名古屋・IGアリーナ)

 トリプル世界戦の会見が12日、名古屋市内のホテルで行われた。デビュー10年目で初めて世界戦の舞台に立つWBA世界ミニマム級1位・高田勇仁(27)=ライオンズ=は「3年間勝てなかった時期もあった。

ここまで来るまで長かった」と喜びをかみしめた。

 中学を卒業すると高校には進学せずにプロの道を選択した。17歳でデビューするが、勝ち負けを繰り返し、8敗を経験しようやくたどり着いた王座決定戦。空位の王座を争うWBA世界同級2位の松本流星(27)=帝拳=を「テクニックがあって、うまい選手」と警戒しながらも「気持ちでは絶対に負けない」と言いきる。日本人の父とフィリピン人の母の下に生まれ、8歳まで両親と離れフィリピンの祖母に育てられた。

 現在の国籍はフィリピンだが、試合後には日本への帰化申請を予定している。王座を取り、日本人王者として防衛戦の舞台に立つことを夢見る。ライオンズジム創設40年目にして初の世界挑戦。正直、緊張やプレッシャーはあるが「ジムからの世界チャンピオン第1号になる。何が何でも取ります」と言葉に力を込めた。

 一方の松本もコンディションが万全であることを強調した。「世界という夢がかなってワクワクしている。

いい準備ができたので、周囲の期待に応えたい」。高田とは対照的に日出高(現・目黒日大高)、日大で活躍しトップアマからプロ入り。わずか7戦目で世界の舞台にたどり着いた。「相手は熱い気持ちでくる。それを上回る気持ちでいく。自信はある」と王座取りに意欲をみせた。

 ◆高田勇仁(たかだ・ゆに) 1998年6月10日、フィリピン・ダエト生まれ。8歳まで祖母らとフィリピンで生活し、2007年に両親と一緒に暮らすために日本に移住。17歳の2015年8月にプロデビュー。2023年1月に日本ミニマム級王座を獲得すると4度の防衛に成功。今年1月に日本王座を返上してWBOアジアパシフィック同級王座に挑戦し、判定勝ちで2つ目のアジア地域タイトルを獲得。戦績は27戦16勝(6KO)8敗3分け。

身長157センチの右ファイター。

 ◆松本 流星(まつもと・りゅうせい) 1998年5月14日、兵庫県高砂市出身。4歳からボクシングを始め、日出高(現・目黒日大高)―日大。2022年全日本選手権優勝。アマ戦績は77勝(6KO・RSC)15敗。23年2月にプロデビューし、24年9月に日本ミニマム級王座獲得。プロ戦績は6戦全勝(4KO)。身長160センチの左ボクサーファイター。

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