全日本プロレスは12日、都内で今月7日に21歳で亡くなった長尾一大心(ながお・たいしん)選手と巡業バスの接触事故に関する記者会見を行った。
長尾選手は5月31日に神奈川県内の道場付近の路上で巡業バスを誘導中に接触事故に遭い腹部が圧迫されたことによる外傷性ショックで神奈川・横浜市内の救急搬送された。
会見には福田剛紀社長、十枝利樹取締役が出席した。会見を前に経過報告書を報道陣に配布した。報告書によると長尾さんは今月6日早朝に容体が急変し7日に敗血症のため亡くなった。10日に横浜市内の斎場で火葬が営まれた。葬儀はふるさとの北海道釧路市で営む予定という。
全日本プロレスは、今回の事故後、長尾選手について5月31日に「怪我(けが)のため『スーパーパワーシリーズ2025』6月1日(日)仙台大会を欠場致します。長尾選手の試合を楽しみにされていたファンの皆様にお詫び申し上げますと共に、ご理解賜りたくお願い申し上げます」と参戦を予定していた6月1日の仙台サンプラザ大会を欠場することを発表した。
その後、6月7日に「長尾選手は5月31日(土)にバスと接触し、直ちに病院に搬送され、現在病院で治療を行っております。そのため、長尾選手は当面の間欠場となります。ファン、関係者、ご親族の皆様にはご心配をお掛けしておりますことを深くお詫び申し上げます」と発表した。
6月21日には「長尾一大心選手は5月31日、巡業バスとの事故により腹部が圧迫されたことによる外傷性ショックにより、現在救急集中治療室で予断を許さない状況の中治療を続けております。
7月22日は「長尾一大心選手は5月31日、巡業バスとの事故により腹部が圧迫されたことによる外傷性ショックにより、現在も救急集中治療室で予断を許さない状況の中治療を続けております。6月中旬以降には病院とご両親の許可を頂き複数の所属選手・スタッフが長尾一大心選手との面会を行わせて頂きました。また、ファンの皆様から長尾選手へ頂いた温かいお気持ちやお言葉につきましてはご両親へ届けられております。皆様からのご厚誼(こうぎ)に感謝を申し上げると共に、ファン、関係者、ご親族の皆様にはご心配をお掛けしておりますことを深くお詫び申し上げます。長尾選手の状況につきましては、引き続きご報告致します」と明かしていた。
事故を把握しながら5月31日に「ケガのため」と欠場理由を発表したことに「入院が長引くかわからず深刻に考えていませんでした」と福田社長は明かした。
さらに記者からこれまでの経過発表が「小出しにするような形になった理由があるんでしょうか」と問われ、福田社長は「特に小出しにしたつもりはないんですが、本当に直前まで治ると信じていましたので、これでいつリング復帰できるかなぁぐらいの感じでおりましたもんですから、さほど記者会見を定期的に開く必要を感じておりませんでした」と話した。
長尾選手は、2003年9月13日、北海道釧路市生まれの21歳。小中学校ではアイスホッケー、高校では柔道を経験した。2023年12月に東京・新木場1stRINGで行われた公開入門テストに合格し24年4月1日に入門。