巨人の岡本和真内野手(29)が25日、逆転2位フィニッシュへ必勝を誓った。2・5差で追う2位・DeNAと26日から直接対決2連戦(横浜)に臨む。

先発予定の東、ジャクソンとはいずれも対戦打率3割超えと好相性だ。残り5試合で6本塁打なら8年連続20号達成となる主砲がアーチを描けば、現在9連勝中。クライマックスシリーズ(CS)第1ステージ(S)本拠地開催をつかむべく、強烈なラストスパートをかける。

 岡本が熱い思いを乗せて打ち込んだ白球は、美しい放物線を描いて、よく飛んだ。G球場でフリー打撃を行って調整。2・5差で追う2位・DeNAとの2連戦へ準備を整えた。泣いても笑ってもシーズンは残り5試合。CS第1Sの本拠開催を逆転で勝ち取るために負けるわけにはいかない。岡本は「しっかりと勝てるように。残り少ない試合も頑張りたい」と勝利への執念をたぎらせた。

 難敵攻略を期待せずにはいられない。勝負の連戦で相まみえるのは、今季14勝を挙げている東と同10勝のジャクソンだ。

リーグ屈指の投手との対戦が続くが、今季、主砲は東には6打数2安打で打率3割3分3厘、ジャクソンとは8打数4安打で打率5割、1本塁打と好相性。さらに横浜スタジアムでは6試合で22打数11安打の打率5割、1本塁打と無双している。「(東とジャクソンは)いいピッチャーなので。その日その日で違いますしね。点を取れるように頑張ります」。冷静でありながらも貪欲な姿勢が頼もしい。

 4番のバットが火を噴けば道筋が開けてくる。ここまで64試合に出場して打率3割1分3厘、出塁率3割9分6厘、14本塁打、42打点。「悪くはない。いろいろやりながら」と、左肘じん帯損傷からの復帰後で見ても打率3割1分9厘、6本塁打、17打点と高いパフォーマンスを発揮している。現在、アーチを描いた試合は9連勝中。主砲の一発は間違いなく雰囲気を変え、チームの勢いを生む。

ただの一発ではない。

 左肘のけがで3か月以上、1軍から離れた期間があったため、8年連続20本塁打以上には残り5試合で6発が必要。球団では松井秀喜以来、4人目となる記録達成は簡単な状況ではない。それでも、打ち出したら誰も止められないのが岡本だ。23年8月には5戦8発と大爆発したこともある。決して夢物語ではない。全て4番で8年連続20発ならプロ野球史上6人目の快挙。偉大な記録に近づくほど、チームの勝利も見えてくる。

 毎年、シーズン終盤に印象深い活躍をしてきた背番号25。道が続くかぎり、諦めない。「一試合一試合勝てるように」。大黒柱の驚異的な追い込みが2位奪取の原動力になる。

(宮内 孝太)

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