◆米大リーグ マリナーズ2―3ドジャース(26日、米ワシントン州シアトル=Tモバイルパーク)

 ドジャース・大谷翔平投手(31)が26日(日本時間27日)、敵地・マリナーズ戦に「1番・DH」でフル出場し、メジャー史上初となる2年連続の「50―20」(50本塁打&20盗塁)を達成した。優勝決定翌日とあって一部の主力が欠場する中で先発。

自己新の55号こそ出なかったが、今季20個目の盗塁となる二盗を決めた。佐々木朗希投手(23)は、初の中1日での登板で、60本塁打のC・ローリー捕手(28)から3球三振を奪うなど1回を無失点。

 どんな状況でも全力プレーを怠らない。これぞ大谷だ。1点リードの3回1死で四球を選んで出塁すると、すかさず二盗。10試合ぶりの盗塁を決めて今季20個目の盗塁となった。打者に専念し自己最多だった昨季の59盗塁には遠く及ばないが、2年連続2度目の「50―20」。過去に達成したのは4人だけで、2度達成した選手は史上初となった。

 前日25日に敵地・Dバックス戦で4年連続の地区優勝が決定。試合後にはシャンパンファイトも行われた。30日(日本時間10月1日)からはワイルドカードシリーズでポストシーズン(PS)が開幕することもあって、ベッツ、フリーマンら主力の一部は欠場。ロバーツ監督は大谷にも休養するかを聞いたが「彼は『それは私(監督)の判断だ』と言った」。

シャンパンファイト中には「今日はしっかりみんなで楽しんで、明日以降また頑張りたいなと思います」と口にしていた。飛行機で約3時間の移動がありながらも、グラウンドに立ち続けた。

 恐怖心に打ち勝って、今季も盗塁を積み重ねた。昨季はワールドシリーズで二盗を試みた際に左肩を脱臼。昨年11月には手術も受けた。開幕前のキャンプ中には、再発防止のためのスライディングを試行錯誤。シーズン序盤には一塁ベースコーチに「少し疲労がたまっていて調子がよくない」と訴え盗塁を自粛したこともあった。6月からは投手にも復帰して故障のリスクも増す中で、3年連続20盗塁をマークした。

 今季最長を更新する30試合連続出塁。1番打者の役割を果たした一方で、3打数無安打と快音は響かず。3年連続の本塁打王へ向けても残り2試合でシュワバー(フィリーズ)に2本差と厳しい状況になってきた。試合前にはPSへ向けて、今季最長&最多の6回91球を投げて無失点だった23日の登板後、初めてのキャッチボールも行った。

ラストスパートでの本塁打王、その先のワールドチャンピオンへ向けて、大谷はまだまだその歩みを止める気配はない。(安藤 宏太)

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