◆パ・リーグ 西武1―4ソフトバンク(27日・ベルーナドーム)
リーグ連覇に貢献したソフトバンクのリバン・モイネロ投手(29)がスポーツ報知に手記を寄せた。先発転向2年目の今季はここまで2年連続の2ケタとなる自己最多12勝(3敗)。
ファンのみなさん、応援ありがとう。今季はファイターズといいライバル関係で戦えた。みんなが集中して、とてもいい雰囲気だったよ。自分の働きも、すごく良かったね。印象に残る登板は選べない。大半が僅差やロースコアだったから。日本ハム戦も多かったし、いい投手との対戦ばかり。そういうチームの戦略の中で勝つ、イニングを多く投げる。期待されたことがしっかりできたと思う。
勝っても負けても表情が変わらないと言われる。1週間も調整して、投げるのは2時間だから。
キューバで野手をしていた時は違った。毎日打席があり、その一喜一憂を楽しんでいた。キューバの若手は、登板翌日も野手での出場は当たり前。一塁や右翼を守っていたよ。10代後半に適性を判断される仕組みで、投手に専念したのは17歳。今は投手になって良かったと思うけど、打者だったら失敗していたとも思わないね。どちらかといえば、打つ方が好きだったから。
そもそも、少年時代は友だちとサッカーをしていた。
実は、今も野球の練習は楽しくない。好きだから続けてきたというより、歴代のコーチが才能を磨いてくれただけ。感謝しないとね。野球に誘ってくれた人は昨年亡くなってしまったけど、日本でのプレーをとても喜んでくれていた。少しは恩返しができたかな。
キューバでは、通信環境に恵まれた一部の人しか日本の野球を見られないし、自分も見たことはなかった。
日本に来て9年。最初はどれだけいるのか想像もしなかった。でも、成功するという自信、強い気持ちはあったよ。メジャー挑戦を考えたことがないのか聞かれる。通用すると言われて光栄だけど、メジャーで活躍するラテンの選手は、みんな20歳より前から挑戦している。自分の成功は年齢を重ねてから。そう考えると『行きたい』とか『行くべき』と思うことはなかったよ。このまま日本で現役を終える可能性もあるけど、それは誰にも分からないこと。今はホークスのために頑張るだけだよ。(福岡ソフトバンクホークス投手)
◆リバン・モイネロ(Livan Moinelo)1995年12月8日、キューバ生まれ。