高校野球秋季北海道大会▽十勝地区代表決定戦 帯広三条5―1帯広農(27日・帯広の森)

 十勝地区で代表決定戦2試合が行われた。帯広三条は5―1で帯広農を下し、11年ぶりの全道大会(10月12~20日、プレド)出場を決めた。

エース左腕・安藤美壱(みいち、2年)が9回1失点で公式戦初完投。打っても3打点で4番の役割を果たした。白樺学園は背番号9のサイド右腕・窪田侑(1年)が5回1安打無失点と好投。帯広南商に3―0で勝利し、2年ぶりの全道切符を獲得した。

 帯広三条の二刀流エースが、チームを2014年以来の全道出場に導いた。最後の打者を打ち取ると、安藤は左拳を握って女房役の湯浅導大捕手(2年)と抱擁。「自分たちの代で全道に行けると思っていなかった。ほっとしています」と白い歯をこぼした。

 普段は直球主体だが、冷静に相手の狙いを見極めてスタイルを変えた。自信のあるカーブなど変化球中心の配球で8奪三振。練習試合を含め初めて9回を投げきり、佐藤竣介監督(31)も「結果どうこうより、9イニング投げられたのが彼にとって良かった」とうなずいた。

 本塁打を放った1回戦に続き、4番に座る打者でもパワーを見せつけた。

5回1死満塁で打席に入ると、外角低めの直球を逆方向の左中間フェンス際まで運んだ。走者一掃の3点適時二塁打となり、自らのバットで援護した。

 今年2月の大雪で室内練習場が倒壊した。未だ再建の見通しが立っていない。日没が早い秋も大きな練習制限を受ける上、2年生は大会直前の10日まで修学旅行も控えており、安藤は「いかに調子を落とさないかが大事。(旅先でも)シャドーピッチングはしようと思う」。夏の甲子園5度出場の古豪が、逆境を乗り越え、まずは全道1勝をつかみに行く。(島山 知房)

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