高校野球秋季大会▽準々決勝 浜松日体6―2御殿場西(27日・草薙)

 準々決勝が行われ、4強が出そろった。初の8強と快進撃を続ける浜松日体が御殿場西を6―2で下し、初のベスト4進出を決めた。

2番手の鈴木僚真(2年)が5回を無失点投球、打っては同点打と攻守に活躍した。夏甲子園出場校の聖隷クリストファーはエース高部陸(2年)の完封で、磐田東を3―0で下した。28日に準決勝が行われ、勝てば東海大会(10月18日開幕・愛知)出場権を獲得する。敗者は10月4日の3位決定戦に回る。

 日体旋風が止まらない。初8強の浜松日体が、御殿場西に逆転勝ちで4強入りを決めた。2番手でマウンドに上がった鈴木が、最後の打者を遊ゴロに抑えた。「あまり感情を顔に出さない」という背番号5が、控えめなグラブタッチで仲間と喜びを分かち合った。

 1番・三塁で先発出場。1点差に迫った2回に2死三塁から中前へ同点打。2番・山口史祐一塁手(1年)の2球目に盗塁を成功させると、山口の中前打で勝ち越しホームを踏んだ。投げては5回を2安打無失点。

「本当は疲れるので、あまり投げたくない」。屈託ない男が走攻守でヒーローになった。

 野球部は1963年創部。夏の正選手が6人残り、学校の歴史を塗り替え続けている。新チーム結成時の目標は県4強だったが、県大会の初戦で飛龍に2―0で勝ったあと、杉田享監督(44)から「4強では東海大会に行けないぞ」と言われた。出場権は上位3チームに与えられるため、選手たちは「ベストスリー」に上方修正した。

 東海切符を懸けて準決勝は昨夏の甲子園出場校・掛川西と対戦だ。相手エースの古岡都暉(とき、2年)と同じ曳馬中出身の鈴木は対決を心待ちにしていた。「今度勝ったらガッツポーズします」と、約束。かつての仲間を撃破して、初の東海切符をもぎ取る。

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