◆アジア・チャンピオンズリーグエリート(ACLE)決勝 アルアハリ1―0町田(25日、サウジアラビア・ジッタ、キング・アブドゥラー・スポーツシティ・スタジアム)

 初出場のJ1町田は、延長戦の激闘の末に惜しくもACLE優勝を逃した。決勝で前回王者のアルアハリ(サウジアラビア)に0―1で敗れた。

後半23分に相手DFハウサウィが報復行為となる頭突きで一発退場し、数的優位を得たが、延長前半6分にFWマフレズの右サイドのクロスからFWアルブリカンに決勝点を許した。元日本代表MF北澤豪氏(スポーツ報知評論家)は、数的優位となったことで相手が守備を固め、攻撃が難しくなった点を指摘。一方、一発勝負で勝ち抜いてきた町田のクラブとしての成果をたたえた。

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 後半23分に相手が一人退場になり、いけるかなと思ったが、残念だった。町田は同31分、相馬勇紀と中山雄太がCKの際に衝突してしまい、その間、数的不利のアルアハリがシステム変更を行い、守備的に切り替え、うまく修正されてしまった。相手が逆に守りを固めることによって、全体としてそこまでスピードアップした攻撃を繰り出せるようにはならなくなり、難しくなったという印象だ。

 町田は相手の4バックに対し、準決勝では前線からのプレスがうまくいっていたが、決勝戦ではサイドバックの背後を取られたり、ボールを奪うところは難しい状況だった。分析されたなという感じだった。序盤からロングボールを使う相手の良さが出てしまった。少しずつ対応が遅れ、下げられて、それがボディーブローのように効いてしまった。相馬のところで一つ突破口になったが、攻撃の回数はそこまで出せなかった。

 決勝点の場面は、右クロスに対し、逆サイドのファーのところで人が余っていた。

勝負どころでのポイントの作り方は、数的不利だとしても勝負に出たなと感じた。(アシストの)ケシエも、本来ボランチにいる選手があの位置で深みが取れるという予測があったのだろう。町田は延長前半13分に、望月ヘンリー海輝が相馬のクロスに高さを発揮し、もう少しで狙いが形になるところだったが、決めきれなかった。

 ただ、町田のここまでの戦いぶりを見て、準優勝でもかなりインパクトを残したと感じさせてくれた。町田の持つスタイルが一発勝負の戦いで強みとして出た。守る時間帯はしっかり守り、攻撃は中途半端に終わることなく、シュートで終わるなどやり切れる。ロングスローも特徴的だ。鋭い攻撃を繰り出すことができ、攻守でメリハリをつけて戦えることがここまで上がってこられた理由だ。シンプルすぎるという見られ方もあったが、『うまさ』より『勝負にこだわる』という強みが出た。

 結果は残念かもしれないが、方向性は間違っていないと自信を深めたことだろう。今回の町田、4強の神戸。アジアを制するというビジョンを掲げ、ゴールに向かう力強さ、勝負強さをJリーグの中でも持ち、アジアの中でも際立っていた。

初出場の町田はクラブとしての成果が出た準優勝だと感じた。日本勢は3年連続決勝戦で中東の壁にはね返されているが、(ここ2年サウジアラビアの集中開催となっている中)国やリーグとして、大会を招致するなども今後やっていかなければならないだろう。アルアハリにとっては当然だが、集中開催での連戦はかなりメリットが出た。欧州でプレーしていた選手たちが名前だけで勝負しているわけではなく、強いマインドを持って戦ってきた。それに全力で立ち向かった町田も素晴らしかった。(元日本代表MF)

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