◆スポーツ報知・記者コラム「両国発」

 2月20日の午前10時52分、スマホが鳴った。「木更津市の清和大学と提携してサッカー部の設立と強化をしていくことになりました」。

声の主は元プロサッカー選手のカレン・ロバートさん。市船橋高で活躍し、Jリーグの磐田では05年に新人王を獲得した。静岡支局時代の04年からの付き合いで、その後オランダなどでプレーし、19年に現役引退。現在はJリーグ入りを目指す千葉県社会人1部、房総ローヴァーズ木更津FCを運営するローヴァーズ株式会社のオーナーだ。

 26歳だった11年、オランダのVVVで出場機会が少なかった時期に起業を決意。「千葉県でサッカースクールをやらないかと言われて。その後に木更津のフットサルコートを運営しないかという話をされたのがきっかけ」。当時の日本では現役中の起業は“タブー”だった。結果が出ないと、練習しないでお金ばかり稼いでいる、と言われる雰囲気があった。だが、引退後が保証されていないアスリートは早く動き出すことも必要だ。

 カレンさんはサッカーの基盤を作った千葉県への恩返しの気持ちで、第一歩を踏み出した。北京五輪世代でもあり、代表候補合宿で一緒だった本田圭佑(現FCジュロン)、岡崎慎司(現バサラ・マインツ監督)も選手時代に起業。

「北京世代」は日本サッカーを変え、現役選手のセカンドキャリアの新たな潮流を生み出した。

 カレンさんは廃校を利用した合宿所の運営など多くの事業を手がける。最近、フィギュアスケートペアの「りくりゅう」が引退を発表。2人のセカンドキャリアにも注目したい。(野球担当・恩田 諭)

 ◆恩田 諭(おんだ・さとし)01年入社。野球記録担当。サッカー担当で08年北京五輪、18年ロシアW杯を取材。

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