◆JERAセ・リーグ 巨人1―5ヤクルト(4日・東京ドーム)

 巨人に頼れる3番打者が帰ってきた。4月21日の試合前練習で打球が顔面に直撃し、登録を抹消されていた泉口友汰内野手(26)がヤクルトとの3連戦初戦で12試合ぶりに戦列に復帰。

初回、初打席で左前打を放ち東京Dを沸かせた。しかし、今季初登板となった先発・戸郷翔征投手(26)は5回6安打5失点で初黒星と結果を残せず、打線も4回の1得点のみ。今季初の3連敗で貯金を1に減らし、ゴールデンウィーク9連戦の負け越しも決まった。首位・阪神とはまだ3・5差。泉口の復帰を起爆剤にしたい。

 打球直撃で入院 復帰を祝福する温かい拍手はすぐさま、大歓声に変わった。泉口の鋭い打球が左前で弾むと、東京Dのボルテージが一気に上がった。0―0の初回2死で、初球の150キロ外角直球を鮮やかに逆方向へ運んだ。12試合ぶりに1軍へ戻ってきた頼れる3番打者が、ファーストスイングで完全復活を証明した。「負けてしまったので、勝ちたかったですね」。快音も塁上で表情を崩さない姿も、いつもの泉口だった。

 脳しんとうの復帰プログラムが完了し、この日に1軍再合流。

いきなり早出特打に参加して右翼席上段へのサク越え、ノックでも軽快な動きを見せた。練習時の様子を見て登録を最終判断する方針だった阿部監督は「いい調整してきたんだなというのは思いました」と「3番・遊撃」での即先発起用を決定。いきなりのHランプで応えた。

 4月21日・中日戦(長野)の練習中に打球が右頬を直撃して緊急搬送。人生で初めて乗った救急車の中で脳裏に浮かんだのは不安や焦りではなく「おやじと兄貴はこういう仕事をしていたんやなと思いました」。消防士として人命救助に携わる身近な2人だった。不慮のアクシデントに見舞われても、冷静さを失うことはなかった。

 178センチ、84キロの頑丈な体を誇る26歳にとって、入院生活も人生初。退院までの3日間は1日10時間超の睡眠をとった日もあった。春季キャンプからフル稼働してきた体をしっかりと休め、25日からG球場で再始動。復帰プログラムを消化して万全の状態で1軍の舞台に戻り「何の違和感もなくできました」とグラウンドでプレーできる喜びをかみしめた。

 離脱中の11試合で3番打者の成績は計45打数6安打で打率1割3分3厘。

チームは3連敗でゴールデンウィーク9連戦の負け越しが決まったが、代えがきかない昨季3割打者の早期復帰はチームにとって何よりの朗報だ。「当たり所が悪ければ死んでいた可能性もあったので、また野球ができて良かったと思いました。またあしたから頑張ります」。吉川と二遊間を組んだのは今季初。役者のそろった巨人の反攻がここから始まる。(内田 拓希)

堀内恒夫Point 復帰した泉口は、初回の初球をいきなり左前安打。第4打席の遊ゴロも芯でとらえていた。ここまでチームが貯金「1」を作っているのは、打線では泉口が、しっかりと3番に座ってきたからこその結果と言えるんじゃないかな。

 1点に終わった打線は淡泊だった。ヤクルト・奥川はストレートも速いけれど、変化球が多彩な投手。狙い球を絞って打ちにいくベンチの指示がもう少し欲しかった。技術で打てるのは泉口くらい。

安定感があって信頼度の高い3番ですよ。

 ◆泉口の経過        

 ▽4月21日 中日戦(長野)の試合前練習で打球が顔面に直撃。「脳しんとう、顔面打撲、口腔(こうくう)内裂創」と診断され、脳震とう特例措置で登録抹消。

 ▽同25日 退院後にG球場で再始動。室内練習場でウォーキングなどに取り組み「生きています。元気です」と笑顔。

 ▽同26日 2日目は屋外で汗を流し、練習後は即席サイン会を実施。

 ▽同28日 G球場室内で負傷後初めてキャッチボール、内野ノック、ティー打撃。

 ▽同30日 G球場で3軍練習に参加。遊撃でノック、屋外フリー打撃ではバックスクリーン右へ特大弾。

 ▽5月2日 ファーム・リーグの広島戦(Gタウン)の試合前練習でフルメニューを消化。「今日で(復帰への)プログラムを終えました」と回復をアピール。

 ▽同3日 2軍・広島戦で実戦復帰し「3番・遊撃」で3打数2安打、好守も披露。

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