プロボクシングの世界スーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥(33)=大橋=が2年ぶりに「世界最強」に返り咲いた。ボクシング界で最も権威がある米専門誌「ザ・リング」が4日(日本時間5日)、最新の「パウンド・フォー・パウンド」(PFP、全階級を通じての最強ランキング)を発表。

前回2位だった尚弥が、世界ヘビー級3団体統一王者オレクサンドル・ウシク(39)=ウクライナ=を上回り1位となった。

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 尚弥は2日、東京ドームで元世界3階級制覇王者・中谷潤人(28)=M・T=の挑戦を受け3―0の判定で勝利。7度目の4団体統一王座防衛に成功した。激闘の余韻も残る中で届いた吉報に、自身のSNSで「リング誌PFP1位へ返り咲きました!! この試合を評価していただいて得た返り咲きはとても価値あるものです。ありがとうございました!!」とのメッセージを投稿した。

 リング誌は5日未明の時点で選考過程を公開していないが、PFP6位だった中谷との無敗対決の試合内容が評価された形だ。敗れた中谷も最新ランクで順位を1つ下げただけで7位となり、トップ10にとどまった。

 マイク・タイソンら伝説的王者たちが名を連ね、1989年からある最強ランキングで、尚弥の1位は3度目となる。22年6月、ノニト・ドネア(フィリピン)に2回TKO勝ちした直後に日本人として初めて1位の座を獲得。24年5月、東京ドームでルイス・ネリ(メキシコ)を6回TKOで下し、1位に返り咲いた。その後は一時、3位まで後退したが、昨年12月に1位だったテレンス・クロフォード(米国)の引退を受けて2位に浮上していた。3度目のPFP1位は、4度のウシクに次ぎ、歴代2位タイとなる。

 PFP2位のウシクは、23日にエジプト・ギザのピラミッド前特設会場で元キック世界王者リコ・バーホーベン(37)=オランダ=と対戦予定。ただバーホーベンはボクシング1勝(1KO)の実績しかなく、この試合の評価でウシクがPFP1位を奪還する可能性は低い。一方で尚弥は、来年1月頃にPFP4位のジェシー“バム”ロドリゲス(26)=米国、帝拳=との対戦計画が浮上している。バム戦が実現すれば、モンスターの“長期政権”への足掛かりとなりそうだ。(勝田 成紀)

【軽量級で1位は2人 尚弥とロマゴンだけ】

 ◆パウンド・フォー・パウンド(PFP) 全階級を通じて最も優れた選手を選定するランキング。1950年代初期にリング誌の初代編集長ナット・フライシャー氏が中量級の名王者シュガー・レイ・ロビンソン(米国)をたたえた言葉から誕生。同誌独自で89年からトップ10ランキングを発表しており、現在は同誌編集長や各国ジャーナリストで構成される選定委員が議論しランキングを作成。トップ10の選定が始まった89年から1位に軽量級が選ばれたのはローマン・ゴンサレス(ニカラグア)と尚弥の2人だけで、それ以外は中量級以上が占めている。日本人ではこれまで、山中慎介、内山高志、井上尚弥、井岡一翔、中谷潤人、寺地拳四朗がトップ10入りしている。

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