2年連続で夏場所を制した横綱・大の里(二所ノ関)と、破竹の勢いで番付を駆け上がってきながらけがの影響でカド番だった大関・安青錦(安治川)が、大相撲夏場所を初日(10日)から休場する。いつもと違う光景となりそうな賜杯レースは、横綱・豊昇龍(立浪)と大関に復帰した霧島(音羽山)のモンゴル出身の2人が軸となる。

豊昇龍は新横綱になった昨年春場所から重圧のためか、けがが相次ぎ安定感を欠いたが、最近は肩の力が抜けたように見える。場所前も出稽古する一方、春巡業から番数をセーブしてコンディション調整を優先してきた。横綱・大関陣では一番安定した成績を残しており昇進後初優勝へ、機は熟したと言える。

 霧島は春場所で3度目の優勝を飾り、大関に復帰。場所前も荒汐部屋を中心に積極的に出稽古を重ねた。春巡業も師匠の音羽山親方(元横綱・鶴竜)が参加した幸運もあり、上手にペース配分してピークを場所に合わせてきた。同親方は「悪くない。場所では流れをつかむことが大事」と期待。過去一度も勝ったことのない天敵・大の里の不在も追い風となりそうだ。同じく過去1勝4敗で苦手の大関・安青錦(安治川)も欠場。自分の相撲に徹しながら、好機をものにし、2場所連続Vにつなげたい。

 琴桜は春場所で10勝を挙げ、初優勝した24年九州場所以来の2ケタ白星に乗せた。

場所前は好調を維持。佐渡ケ嶽部屋では、6日に出稽古に訪れた4人の元関脇、大栄翔、王鵬、阿炎、隆の勝に全勝と馬力の違いを見せた。春巡業ではチューブを使った基礎運動を中心に相撲はあまり取らなかったが「スタートダッシュ一辺倒ではなく、ゆるやかに(本場所へ)上げていくことが大事」と計画通り。弟弟子の琴勝峰が新関脇になり、発奮材料も十分だ。

 初日から休場のカド番大関の安青錦は、途中出場した場合、当面の目標は勝ち越しとなる。安治川親方(元関脇・安美錦)が「今は歩くのが精いっぱい」と現状を明かす。途中出場も視野に入っているとみられるが、22歳と今後もあるだけに無理せず、名古屋場所で2ケタ勝利しての大関復帰に懸けることも選択肢のひとつだ。

 新関脇・熱海富士(伊勢ケ浜)は先場所9勝6敗。部屋で不祥事が発生し、師匠・伊勢ケ浜親方(元横綱・照ノ富士)と部屋付き親方が同等の立場で力士らに指導する体制に変わった。部屋を取り巻く環境は大きく変わったが、巨体を生かした馬力が発揮されれば、一気に優勝争いに絡んできそうだ。(大相撲担当・山田 豊)

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