日本サッカー協会は15日、都内で北中米W杯のメンバー26人を発表した。フランクフルトMF堂安律は、22年カタール大会に続き、2度目のW杯となる。

 2022年カタールW杯。ドイツ、スペインという優勝経験国を相手に、いずれも途中出場からの「ひと振り」で世界を驚かせた。ドーハの歓喜から4年。今やドイツ・ブンデスリーガで確固たる地位を築き、日本代表の10番を背負う選手となった。

 振り返れば、彼のキャリアは常に「逆境」と「証明」の繰り返しだった。16歳でG大阪からデビューしたころ、裏では「自分は不安症だ」と漏らしていた。宇佐美貴史ら天才肌の先輩たちと比較され、自らの武器を求めてもがいていた。しかし、彼はその不安を燃料に変えた。「俺には左足しかない」と、欧州で研ぎ澄ました武器は、カタールの地で結実した。

 特筆すべきは、彼が放つ言葉の変化だ。カタール当時は「結果で黙らせる」という、どこか自身の力を証明し、周囲の雑音をはねのけるための言葉が多かった。しかし、北中米W杯へ向かう今の堂安からは、チームを勝たせるという覚悟がにじむ。

「本気で優勝を目指している。チームが勝てるなら、自分はどうでもいい」と語るようになった。カタールW杯を経た4年間の経験は、堂安を変えた。大会前から負傷者の続出という逆境を迎えた森保ジャパンを、リーダーのひとりとしてけん引する。(金川 誉)

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