7連勝と波に乗る阿部巨人の「走塁改革」が着々と進んでいる。チーム盗塁数32はヤクルトと1差の12球団2位。

同ワーストの53盗塁だった昨季から倍増以上のペースで、成功率78%も昨季57%から飛躍的に向上している。亀井善行外野守備兼走塁コーチ(43)ら首脳陣が俊足軍団に浸透させている「あと一歩」の意識改革に「Gを読む」で迫った。ナインは20日、福島・いわきから帰京。21日は5年ぶりの8連勝をかけてヤクルト戦(神宮)に臨む。

 走って走って、走りまくった。1―0で6連勝を飾った17日のDeNA戦(東京D)。プロ初の3盗塁を決めた浦田を筆頭に平山、松本も僅差の展開で二盗を成功させて球団4年ぶりの1試合5盗塁。阿部監督は「みんなが積極的にいってくれた結果ですから」と自分の判断でスタートを切る「グリーンライト」で躍動した選手たちをたたえた。

 「走るチーム」に様変わりした。今季のチーム32盗塁は12球団2位で、昨年の42試合消化時点の17からほぼ倍増。成功率も78%と昨季の57%から劇的な改善を見せている。「成功率70%」を目標にしてきた亀井コーチは「若い選手が増えた、走れる選手が増えたって言うのはまず(要因の)一つでしょうね」。

すでに10選手がスチールを成功。「どこからでも走れる」俊足軍団が相手バッテリーに脅威を与えている。

 走力抜群の若手を後押ししているのが、首脳陣が昨秋から浸透させてきた意識改革だ。亀井コーチは「ちょっとしたリード、あと一歩。ちょっとしたことを意識してほしいと常々言っている」。秋季キャンプ初日から実戦的な走塁練習を導入。川相ディフェンスチーフコーチ、吉川内野守備兼走塁コーチと連携しながら「あと一歩」を標語に意識改革に取り組んできた。シーズンでは一塁コーチャーとして相手投手のクイック、捕手の二塁送球などのデータを漏らさず伝え、選手がスタートを切るための土壌をつくっている。

 4月の支配下昇格から3盗塁の平山はもちろん、浦田(9)、佐々木(3)の盗塁数もすでにキャリアハイだ。1番に定着しつつある平山は「ゴロゴー、盗塁にしても考えてたことをもとに予測できるようになった」と走塁改革の効果を実感。昨季1盗塁で失敗4だった佐々木も「去年はがむしゃらに走ることしか考えていなかった。今は根拠づくり、こうやればいいんだなと探りつつやっています」とうなずいた。

 今季のチーム総得点は133、総失点は134と、得失点差がマイナス1ながら貯金6という“異例”の躍進。足を絡めてもぎとった1点で接戦をモノにする新たな勝ちパターンが生まれている。亀井コーチは「無意味な盗塁はさせたくない。走塁のアウトはすごく流れが変わる」としつつ「アウトを怖がらずに積極的な走塁を心がけてほしい。監督も『若いんだからガンガンいけ。アウトになるなら次の塁で』という感じですから。今のところはいい方向に行っていますね」。一発だけには頼らない。「走る巨人」の快進撃が続いている。(巨人野手担当・内田 拓希)

 ◆記録メモ 巨人は開幕から42試合を消化して32盗塁。セ・リーグではヤクルトの33盗塁に次ぎ2番目の多さだ。シーズン80盗塁で阪神と並び最多だった20年以降、巨人の盗塁数は(円内数字はリーグ順位、(10)は10盗塁以上、(20)は20盗塁以上の人数)

 盗塁 (個人最多)(10)(20)

20年80〈1〉(23増田大)31

21年65〈4〉(15松 原)2-

22年64〈4〉(16吉 川)2-

23年48〈4〉(11門 脇)2-

24年59〈4〉(12吉 川)1-

25年53〈6〉(9若 林)--

今年32〈2〉(9浦 田)??

 個人では浦田が17日のDeNA戦で1試合3盗塁を決めるなど、ここまでチーム最多の9盗塁。

次いで松本5、泉口、平山、吉川、キャベッジ、佐々木が各3盗塁。昨年は2ケタ盗塁が一人もいなかったが、今年は複数人が記録しそうだ。

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