◆JERAセ・リーグ ヤクルト1―3巨人(16日・神宮)

 今後に期待を持てる95球だった。巨人のB・マタ投手(27)が力投でカード勝ち越しに貢献した。

「制球に苦しみながらも最低限の仕事ができてよかった。持っているものは出せた」。約3か月ぶりの先発で5回2/3を1失点。被安打わずか1と的を絞らせなかった。

 54球投じたツーシームは最速157キロで、平均153キロ。外野に打球を飛ばされたのは3回の犠飛を含め2度だけ。持ち味の“荒れ球”で徹底的に詰まらせた。1―1の6回2死満塁で途中降板。直後の攻撃で打線が勝ち越した。来日初勝利まではあと一歩。与えた6四死球を次への宿題にした。

 先発ローテ争いに敗れて4月下旬に降格。

長い2軍生活が始まった。「どこにいようと頑張るよ」。周囲に約束して再昇格のチャンスをひたすら待った。登板できるなら、と地方の山梨遠征にも帯同。ファームでローテを守り続けた。体重維持のため異国の食事にも果敢に挑戦。ベネズエラの先輩、ヤクルト・オスナからはすし店を教わり「トロ! トロ! 大トロ」と新たな好物も見つけた。

 フォーム修正に励んでいた6月、母国で大地震が発生。4500人を超える命が犠牲になった。幸いにも家族は無事。1万4000キロ以上離れた故郷に住む両親とのビデオ通話は今改めて、かけがえのない原動力になっている。

 「今日の投球はファームでの頑張りの日々のおかげ」と意地のゲームメイクを見せた助っ人。

1週間後の試合がないため一度登録を外れる見込みだが、後半戦からのローテ奪取に向けて弾みがつくマウンドになった。(堀内 啓太)

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