◆明治安田J1リーグ ▽第9節 柏4―2神戸(10日・三協F柏)

 2位の柏は勝ち点1差で追う神戸に4―2で勝利し、首位に躍り出た。前半27分にFW藤尾翔太が先制点を決めると、後半にはさらに3点を追加。

追い上げる相手を振り切り、首位攻防戦のシックスポイントマッチを制した。

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 MF戸嶋祥郎が柏の危機を救い、貴重な勝ち点3をもたらした。前半15分、3バックの右で先発したDF馬場晴也が相手FWエリキとの球際の競り合いで負傷し、3分後に担架でピッチの外へ。試合序盤でのアクシデントに場内が騒然とする中、普段から同位置で起用されているDF原田亘ではなく、戸嶋が代わりに出場した。

 本職ではないポジションでの起用だったが、攻守にわたって奮闘。1―0の後半9分には自らのボール奪取からカウンターのチャンスを作り、最後は自身の右クロスからFW山内日向汰の追加点をアシストするなど、この試合のMVPとも言える大車輪の活躍を見せた。

 2018年に新潟でプロ生活を始めて以降、サイドバックで出場した経験はあるが、「センターバックで(の出場)はない」と戸嶋。ただ、今年の8月以降から徐々に準備は進めており、「(チームの)人数が多い分、3チームくらいで回すことも多かった。Aチーム、Bチーム、Cチームがあって、ボランチも多かったので、Cチームの右センターバックをやりながという日々もあった」と明かした。リカルド・ロドリゲス監督は千葉とのプレシーズンマッチ・ちばぎん杯でMF島野怜(現在はJ2藤枝に期限付き移籍)のセンターバック起用を試していたが、同時に戸嶋の起用も模索していたようだ。

 20年に柏に加入してから今年で7年目。チームの副主将も任されているが、今季の出場時間は天皇杯3回戦今治戦での途中出場25分のみ。

リーグ戦ではベンチのメンバーにすら入れない日々が続いた。昨年も上位争いするチームで出場機会は限られていたが、「ラストチャンスだと思っていた」と試合後に語った昨年6月の第22節清水戦では先発起用に応えてゴールを決めるなど、要所で存在感を発揮。この日もチームを救い、「センターバック戸嶋」という今後の新たな可能性も見いだした。

 出番こそ少ないが、柏にとって戸嶋は欠かせない存在。昨年7月には本拠地から1キロほどの場所にピザ屋をオープンするほど、戸嶋自身も柏に深い愛着を抱いている。「自分がやるべきことは、このエンブレムのためにプレーすること。その姿勢はぶらさずやってきた自負がある。それがチームのためになると信じてやってきた」。陰ながらチームを支えてきた結果が、この試合のパフォーマンスであり、クラブ内での揺るぎない信頼だ。(浅岡 諒祐)

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