米大リーグ(MLB)は1日(日本時間2日)、ポスティング申請のスタート初日を迎え、阪神・佐藤輝明内野手(27)、西武・平良海馬投手(26)、日本ハム・伊藤大海投手(29)が、申請手続きを行ったと、複数の現地メディアが伝えた。申請解禁日に日本人3選手がそろって申請手続きを行うのは、史上初。

異例の3人そろい踏み申請となった背景には、12月1日に労使協定が失効し、2021~22年以来のロックアウトを迎える懸念がある。

 過去のポスティングは、FA市場全体の動きを読み、選手の市場価値が最大となるタイミングを見計らうことが、代理人の大事な仕事でもあった。ポスティングを含めたFA市場は通常、トップクラスから契約が決まり、逃した球団が、次のクラスにターゲットを移していくのが定石だ。ポジションがかぶる場合、まず、「プランA」で争奪戦が形成され、獲得に敗れたチームが「プランB」に移行し、交渉を進めていく。2023年オフには、当時DeNAの今永昇太、日本ハムの上沢直之の両投手が同じ日にポスティングを申請し、今永がカブスと契約した後、上沢争奪戦の市場が温まる時間がなく、レイズとマイナー契約という形になった。

 今回は、その定石は通用しない。選手会側は8月の時点で、ロックアウト突入となった場合に、新労使協定に合意してロックアウトが解除された時点で、一時凍結したポスティング交渉を再起動する案を機構側に提案したが、現時点で機構側から回答がなく、2022年3月に契約したカブス・鈴木誠也外野手のように、ロックアウト解除後の交渉再スタートは保証されていない。大リーグ関係者によると、そのまま、打ち切りとなる可能性があるという。

 また、韓国プロ野球のKBOからはハンファ・盧施煥(ノ・シファン)内野手(25)も申請手続きを行った。そもそも韓国選手のポスティング交渉期間は、日本人選手より15日短い30日間となっており、佐藤とポジションがかぶる韓国の大砲の参戦も微妙に影響するところ。だからこそ、1日も早く市場に打って出ることが大事になる。交渉は現地時間2日から可能で45日間の期間があるが、特殊事情を抱える今季に限っては、実質12月1日までの約30日間になるかもしれない。

不確実さを含んだ交渉では競合選手の動向を見極めるより、保証された1か月を確保することを各代理人が優先。それが、今年の特別なポスティング事情だ。

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