シナー 第3セット途中から急失速…5-1リードから悪夢の逆転劇


5月28日、「全仏オープン」(フランス・パリ)男子シングルス2回戦で、生涯グランドスラムを目指していた第1シードのヤニック・シナー(イタリア/世界ランク1位)が、ファン・マヌエル・セルンドロ(アルゼンチン/同76位)に2セットアップから逆転負けを喫する波乱が起きた。試合後、シナーは第3セット途中で「めまいがし始めた」と明かした。


【動画】シナー、勝利目前から体調不良でまさかの失速で2回戦敗退 マッチハイライト

24歳のシナーは、今季すでに5つのタイトルを獲得。ATPマスターズ1000インディアンウェルズ、マイアミ、モンテカルロ、マドリード、ローマとサーフェスが変わっても強さを発揮し、5大会連続で優勝している。

今大会で生涯グランドスラムの偉業を懸けて今大会に臨んでいたシナーは、順当に1回戦を勝ち上がると、この日の2回戦も序盤はシナーが圧倒していた。

第2セット終了時点まで一度もブレークポイントを与えず、第3セットでも2度のブレークを奪って5-1と大きくリード。しかし、気温30度を超えたパリの暑さの中で徐々に動きが落ち始め、ミスも急増した。5-4ではメディカル・タイムアウトを要求し、「吐き気がする」と訴えてコート外で治療を受ける場面もあった。

それでも流れを止めることはできず、セルンドロが一気に主導権を掌握。シナーは第3セットを5-7で落とすと、第4セットも本来の動きを取り戻せないまま1-6で失った。悪い流れは最終セットでも変わらず、序盤から4ゲームを連取される苦しい展開に。第5ゲームでは意地のサービスキープを見せたものの反撃には至らず、最後は1-6で力尽きた。

会見に臨んだシナーは、試合中の異変について「非常にめまいがし始め、エネルギーが著しく低下した。序盤は非常にクリーンで良いショットが打てていたが、その後、急に限界を迎えた」と告白した。
戦術的意図のあった第4セットについては「第5セットに向けて少しでもエネルギーを蓄えるために、やや流すようにした。体全体がエネルギーを失っており、最後にこれほど衰弱したと感じたのがいつか思い出せない」と壮絶なコート上の状況を明かした。

今朝の起床時から体調が優れず、よく眠れなかったという。しかし、敗因を気候のせいにはしなかった。「上海の時は湿度が非常に高く、全豪オープンは非常に暑かった。ハードコートは熱が下からも上がってくる。ここは暖かかったが問題ないレベルであり、暑さのせいで死にそうだったわけではない。本当に暑さのせいでも、天候のせいでもなく、今日はただ自分自身の問題だった」と真摯に振り返った。

前哨戦のマドリードやローマを制したことによる勤続疲労の可能性については「もしマドリードやローマでプレーしていなくても、ここに来て体調を崩すような日を迎えていたかもしれない。振り返って考えるのは常に非常に難しい。クレーで3つのトーナメントに勝ち、驚異的な連勝街道だった。非常に早い段階での敗退は望んでいたものではないが、前哨戦をスキップしていたら状況が変わっていたかどうかも決して分からない」と後悔はないと口にした。


生涯グランドスラムの偉業は持ち越しとなったが、王者はすでに前を向いている。「もちろん、自分が置かれていた状況を考慮すると受け入れるのは難しいが、今の私には回復するための時間が十分に大いにある。まずは精神的にも完全に回復し、それからウィンブルドンに向けて再び準備を整える。その後に控えるモントリオール、シンシナティ、全米オープンなど、今年はまだプレーすべき大会がたくさんある」と再起を誓った。
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