森保一監督が見つけた中盤の最適解だ photo/Getty Images
頼もしい選手たちだ
2022年に予定されているワールドカップ・カタール大会のアジア最終予選も残すところあと2試合となった。ここまで6勝2敗の好成績を残している日本代表は次節オーストラリア戦に勝利すれば本戦の切符を掴むことができる。
そんなサムライブルーだが、前述したオーストラリア戦がこのアジア最終予選の分岐点となった。今でこそ8戦で6勝と大きく勝ち越しているが、最終予選はオマーンに負けるところから始まっており、前回のオーストラリア戦前の戦績は1勝2敗と負け越していた。
いわゆる崖っぷちの状態となったが、日本代表はここで馴染みのある[4-2-3-1]を捨てて[4-3-3]で重要なオーストラリア戦に臨んでいる。そこからの破竹の5連勝は周知の事実であり、ここでフォーメーションを変更していなければ今の順位にいない可能性は高い。
そこで生まれたのが、今では日本代表の武器である遠藤航、田中碧、守田英正の中盤3枚の並びだ。
アンカーに配置されている遠藤のパフォーマンスも田中、守田が加わったことで向上した。ダブルボランチの際は遠藤への負担が大きくミスが目立っていたが、中盤を増やしたことでタスクが分散されており、より安定感が増すことになった。
また、後方からのビルドアップも整理されたように思える。現状ではインサイドハーフの田中と守田がサイドバックの位置まで降りて組み立てに参加しており、パスの供給役として輝いている。今の代表は酒井宏樹と長友佑都がSBを担当しているが、長友はビルドアップを得意としておらず、酒井もミスがないわけではない。
攻撃面ではここ4試合で4連発の伊東純也が取り上げられがちだが、中盤が機能不全に陥ればその伊東にボールが供給されることはなくなってしまう。それほどに中盤は重要であり、このフォーメーションに切り替えた森保一監督の手腕は称賛されるべきだろう。彼らの代役を見つけられていないことは気がかりだが、今後もこの中盤3枚が日本代表を支える柱として活躍してくれることになるだろう。