■ブライダル企業が挑み続ける“働きやすさ”とは
育休取得後の男性社員が、復帰直後に転勤を命じられたとしてカネカが炎上したことは記憶に新しいでしょう。しかしこの件に限らず、「制度はあるけど使えない」という事態は多くの企業で起こっています。
こうした問題に本気で取り組んでいるのが、ブライダル企業の株式会社ノバレーゼ。制度を整えるだけでは解決できない、現場の空気醸成や不平等さをなくす努力などの取り組みについて、総務人事部長の小高直美さんに取材しました。
■「有休を取ってもいい」空気作りのための取り組み
2000年に創業した株式会社ノバレーゼは、婚礼施設、ドレスショップ、レストランを全国に展開。グループ企業を合わせた従業員数はパートやアルバイトを含めて2,279人となっています(2018年12月31日現在)。
厚生労働省によるとブライダル業界にあたる「生活関連サービス業・娯楽業」の平成30年における有休取得率は36.5%にとどまりました。そんな中ノバレーゼは2015年より、全社員の有休取得率100%を義務化する制度を導入。昨年は有休取得率86.5%に加え、産休・育休取得率100%、産休・育休復職率86.4%と非常に高い水準を維持しています。
社員の6割が女性だというノバレーゼ。小高さんによると、女性が多いからではなく「自分たちが心身健康で幸せでなければお客様も幸せにできない」という創業者が持つ企業理念のもと制度を整えていった面が強いと言います。
有休取得率100%の義務化においては、「みんなが休んでいないのに自分だけが休みづらい」という社員の遠慮がネックになります。その課題を解決するため、ノバレーゼでは年初に各人の有休希望日に応じた年間の取得予定表を作成。
さらには、計画表通り有休を取れているかについてのランキングを社内で定期的に発表。等級ごとの研修時には、有休取得義務化の目的についてグループディスカッションをさせるなど、あらゆる立場や役職の人が有休取得に対して意識を高く持つような取り組みも。
■“奨学金の肩代わり”で不平不満が出ない理由は
ノバレーゼの特筆すべき制度は他にもあります。まずは3年に一度、有休に加えてリフレッシュに使える30日間休暇制度。昨年は117人もの社員が取得しました。
海外旅行や資格の勉強など、各々が自由に使える年間30日の休暇。取得者の仕事に対するモチベーションが大幅に向上したことで、コストを超える大きな効果を発揮しているそう。
また、「奨学金返済の負担が大きい」という奨学金を返済する社員の声をもとに、2012年には企業が奨学金を肩代わりする支援制度もスタート。勤続年数が5年と10年の社員に対し、奨学金の返済資金として最大200万円を支給しています。
近年は、ノバレーゼのように奨学金を肩代わりする企業が少しずつ増え始めています。この制度の難しい面はコストだけでなく、社員同士の平等についての考え方でしょう。
「奨学金を借りることは、本人の努力ではどうしようもできないことです。奨学金の負担のせいで仕事を頑張り切れないのであれば、会社としてできる限りサポートしたい。奨学金に限らず、いつ誰に何が起きるかわからないのが人生です。ライフステージや家庭の事情によって、働くことを諦めてほしくないという思いが根底にあります」
きっと奨学金肩代わりだけを推進する企業であれば、多くの不平不満が起こるのでしょう。しかしベビーシッター利用料の全額負担や勤続年数10年以上の社員を対象にした3泊4日程度の旅行招待など、それ以外にも各社員に応じたさまざまな制度に取り組んでいるノバレーゼ。社員全体が企業理念の理解だけでなく、各種制度のメリットを感じているからこそ成り立っているのだと感じました。
■男性育休によって収入が減らないシミュレーションを告知
ノバレーゼの各種制度は、トップが決めるものもあればスタッフの声で決めるものもあります。奨学金のようにスタッフの悩みから検討されたり、全国のスタッフのディスカッションによって制度化されたりといったことも。
現在では「ドナー休暇」の導入を目指していると言います。これは、競泳の池江璃花子選手が白血病を公表したというニュースが報道されていた頃に、とある社員から「骨髄提供の際に休暇を取ることができるのか?」という問い合わせがあったことがきっかけでした。
また、2019年3月からは男性育休へのサポートも強化するため、取得手続きや休暇中の収入など、取得者の疑問や悩み相談に応じる窓口を設置。社会保険免除や補助金などの仕組みをシミュレーションモデルで告知することで収入減の不安を解消したり、産後うつなど出産や育児についての知識を深めたりして、男性社員自身の「育児を担いたい」「育休を取ってもこの会社なら大丈夫」という意識を促しています。
「有休を取りなさい」「男性でも育休もらえます」とトップダウンで指示し、義務化を掲げるのは簡単です。しかしノバレーゼのように、社員の“休むこと”への罪悪感を拭い、主体的に休暇やワークライフバランスの重要性を考える取り組みをしてこそ本当の企業努力。
制度整備や義務化をすれば終わりではありません。その制度をいかにして社員に浸透させていくかに本気で取り組まなければ、働き方改革はいつまでも進まないことを国や企業のトップはそろそろ気付くべきではないでしょうか。

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