戦闘服や車両、そして航空機などに施される迷彩は、戦闘地域の風景に紛れ、敵から発見されるのを遅らせる目的でデザインされています。地上で活動する車両の場合はだいたい1パターン、あっても積雪時を含めた2パターン程度で済みますが、空を飛ぶ航空機の場合は上下左右、あらゆる方向から見られるため、その任務に応じて様々な迷彩パターンを採用しているのが特徴です。
逆にいえば、航空機の迷彩は「想定している敵の位置」を知る手がかりともいえます。どこから狙われることを想定した迷彩なのか、「敵の位置」ごとに迷彩を分類してみましょう。
最初に紹介するのは、全方位の敵に対応する「制空迷彩」です。
現代のジェット戦闘機は、わずかに青みがかったグレーを基調とした濃淡による迷彩が施されています。これは「制空迷彩」と呼ばれるもので、背景となる空の色を晴れや曇りの日を含めて平均化したものとされています。
この場合、想定されているのは自分と同じ高度帯に存在する戦闘機で、いわゆる空中戦を考えた迷彩パターンです。機体の輪郭をはっきりさせないよう、エッジ部分の色は薄く(明るく)、内側にいくに従って濃く(暗く)塗装し、全体のトーンを平均化する工夫がなされています。
低空を飛ぶ航空機は地上に溶け込む迷彩パターン 次に低高度で活動する航空機の迷彩を紹介します。
たとえば、航空自衛隊のF-2戦闘機は青の濃淡で構成された「洋上迷彩」と呼ばれるパターンを採用しています。これはF-2の主な任務が対艦攻撃であり、レーダー波が乱反射する海面スレスレを飛んで目標に接近し、対艦ミサイルを発射するという任務に最適化された迷彩です。
海面近くの低高度を飛ぶ場合、最も恐れるのは上空から発見されることです。このため、海面の色を模した青の濃淡の迷彩が施されているのです。
ベトナム迷彩のF-4E(画像:アメリカ空軍)
上からの敵を想定した迷彩は洋上迷彩に限りません。ベトナム戦争時に活躍したF-4「ファントムII」に代表されるアメリカ空軍の戦闘機は、地面のパターンを模した緑や茶色の「ベトナム迷彩」と呼ばれる塗装が施されていました。
ベトナム戦争では、戦闘機も地上攻撃をすることが多く、低高度からナパーム弾などを投下してジャングルを焼き払う任務に投入されました。洋上迷彩同様に、上空から接近する迎撃機を想定し、地表面を模した配色を用いているのです。
すでに退役した航空自衛隊のC-1輸送機や、RF-4偵察機についても、同じことがいえます。敵の戦闘機より相対的に低い高度を飛ぶことが多く想定されるため、地表面や海面を模した迷彩が施されていました。
この傾向は、飛行する高度がまだ低かった第二次世界大戦の軍用機、特にヨーロッパ戦線のイギリス空軍機で顕著に表れています。スピットファイアやハリケーンといった戦闘機は、上面に地面を模した迷彩パターン、下面は空に紛れる薄いブルーグレー、という配色を採用していました。当時の爆撃機も同様に、機体上面は地面に溶け込むような配色を用いています。
下からの敵に対して、空に紛れる迷彩パターン 続いて、下からの発見を遅らせるための迷彩を紹介しましょう。
海上自衛隊が2010年代に導入したP-1哨戒機は、淡いブルーの塗装が印象的です。
P-1とあわせて開発された航空自衛隊のC-2輸送機に採用されているブルーグレーの塗装パターンも、同様の目的だと考えていいでしょう。こちらは地上から、携帯式地対空ミサイルシステム(MANPADS)で狙われることを想定したものとされています。
夜間に出撃するB-1B爆撃機(画像:アメリカ空軍)
戦闘機でも下からの敵を想定した迷彩があります。アメリカ空軍のF-15Eは濃いグレーの塗装を採用していますが、これは夜間に精密爆撃を実行する任務が多いため、夜空に紛れるような色調にしていると考えられています。
完全な黒にすると、月明かりのある空で逆に目立つ危険があり、あえてグレーを採用しているようです。B-1B爆撃機も夜間の爆撃任務が多いため、濃いグレーの塗装が採用されています。
宵闇に紛れて作戦行動をするのは、特殊部隊も同じです。秘密裏に行動するため、特殊部隊が襲撃時に使用するヘリコプターは濃いグレー、もしくは真っ黒に塗装されており、飛行中に地上から存在を気付かれないよう、工夫されています。
さて、ここまで見てきたように、迷彩パターンは任務や役割に応じて、想定される敵の位置の違いから決定されています。そのため同一の機種でも、任務ごとに異なる迷彩を用いることがあります。
通常時、航空自衛隊のC-130輸送機は低高度の戦術輸送に使われるため、日本で多い針葉樹林を想定した濃い緑を基調とした迷彩パターンが施されています。しかしイラク派遣用の機体は、明るい空色に塗装されたのです。
当時のイラクは、組織的な抵抗は終わっていたとはいえ、まだまだ民兵レベルでは散発的な攻撃が続いていました。そのような中で、日本国内仕様の迷彩では目立ってしまい、離着陸時などを地上からMANPADSや、RPG-7のような対戦車ロケットで攻撃される恐れがありました。そこで現地の空の色を研究し、それに合わせた色調で機体を塗り替えたのです。
幸い、C-130は無事に任務を終えて帰国しましたが、それからしばらくは、イラク派遣仕様の空色と、通常の緑色の迷彩とが同居する不思議な光景が見られました。
このように、軍用機は任務と想定される敵の位置によって、様々な迷彩パターンが存在します。軍用機を見る際、迷彩からどのような任務に使われるか考えると、より深く理解が進むのではないでしょうか。

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