最初に誕生した嵐電嵐山駅

 嵐山は京都市街地の西部にある標高382mの山の名称であるとともに、広義にはその麓にある多数の寺社を含む観光地を指します。古くから桜や紅葉の名所であり、特に桂川にかかる美しい渡月橋は嵐山の象徴として知られています。

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「嵐山」を冠する4駅のうち、最初に開業したのは京福電気鉄道嵐山本線(嵐電)の「嵐山」駅です。嵐山本線の終点で、1日の乗降人員は5562人/日(2023年)。3面3線の櫛形ホームを有する大きな駅です。後述する阪急電鉄の嵐山駅と同名ですが、バス停などでは差別化のために「嵐電嵐山駅」と呼ばれることもあります。

 同駅は1910(明治43)年に、嵐山電車軌道の停留場として開設されました。1918(大正7)年に合併により京都電燈が運営する嵐山電鉄の停留場となったのち、1929(昭和4)年に移転して愛宕山鉄道が同駅から清滝駅までを開業。1942(昭和17)年に路線を継承した京福電気鉄道の停留場となり、現在に至ります。

 1974(昭和49)年には、駅舎内に日本初の女性専用ホテル「嵐山レディースホテル」が開業。女性のみの一人旅が珍しい時代のことで、2002(平成14)年まで営業していたようです。跡地は「嵐山駅はんなり・ほっこりスクエア」という観光商業施設となっています。

 2004(平成16)年には、駅構内に「駅の足湯」を開設。鉄道の乗車券がなくても、利用券を購入することで利用できます。

この足湯はJR九州「由布院駅」、阪急電鉄「箕面駅」と「足湯三姉妹」として連携しています。

 その後、2013(平成25)年にはインテリアデザイナーの森田恭通氏が手掛けた全面改装が完了しています。

途中から「嵐山」が付いた嵯峨嵐山駅

 阪急電鉄の嵐山駅は、1928(昭和3)年に新京阪鉄道(現・阪急電鉄)嵐山線の開通とともに開業します。開業当時は6面5線という巨大な駅でした。

 この嵐山駅は桂川の南に位置し、京福電気鉄道の嵐山駅までは850m離れており、徒歩で約12分を要します。こうしたことからバス停は「阪急嵐山駅前」と名付けられています。駅名票には「嵯峨野」という副駅名も見られます。平均乗降人員は8378人(2024年)です。

 2010(平成22)年に駅舎がリニューアルされ、京町屋をイメージした外観となりました。行灯風の駅照明といった凝ったデザインが用いられ、駅前も石畳風にあしらわれています。桜の木も植えられている美しい駅で、第2回近畿の駅百選にも選ばれています。

 元々は「嵐山」ではなかった駅もあります。

1897(明治30)年に京都鉄道の嵯峨駅として開業したJR嵯峨野線の嵯峨嵐山駅です。同駅は、1907(明治40)年に京都鉄道が国有化されて官営鉄道の駅となります。その後、1912(明治45)年に所属路線が京都線から山陰本線に変更され、1987(昭和62)年からJR西日本の駅になりました。2面4線のホームを持ち、乗降人員は1万7080人(2023年)と利用客が多い駅です。

 1988(昭和63)年に山陰本線京都口に「嵯峨野線」の愛称が付き、1994(平成6)年に「嵯峨嵐山駅」に改称されました。最も新しい「嵐山駅」といえます。京福電鉄の嵐山駅とは距離で700m、徒歩で10分ほど離れています。隣の嵐電嵯峨駅の方が距離で350m、徒歩で5分と乗り換えに適しています。

 なお、2007(平成19)年までは京都鉄道として開業した当時のレトロな駅舎でしたが、京都~園部間の複線化に伴って橋上駅舎に改築され、現存しません。

「嵯峨嵐山駅」は嵯峨野観光鉄道の「トロッコ嵯峨駅」と隣接しています。こちらは、「嵐山」を冠していません。嵯峨野観光鉄道の「嵐山」を関する駅は別にあります。

1991(平成3)年に開業した「トロッコ嵐山駅」です。山小屋風の駅舎を持つ有人駅で、JR嵯峨野線の分岐点と亀山トンネルの間に位置します。

 トロッコ嵯峨(嵯峨嵐山)駅とは1km離れており、徒歩だと19分かかります。京福電気鉄道の「嵐山」駅までは1.1kmで徒歩15分、阪急電鉄の「嵐山駅」までは1.9kmで徒歩26分とかなり離れています。同じ駅名だから乗り換えられるだろうと考えたら、大変なことになります。京福や阪急に乗り換えるなら「トロッコ嵯峨」駅の方が便利です。

 以上、嵐山に点在する4駅を取り上げました。どの駅も特色があり、整備された美しい駅です。嵐山観光の際に全駅を訪れるのも楽しいかもしれません。

【写真】京都の「嵐山」を冠する4駅を全部見る

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