この記事をまとめると
トヨタ「C-HR」の生産が7月下旬をもって終了する



■TNGA第2弾のモデルとして2016年12月に登場した意欲作であった



■販売台数1位になるほど売れた過去を持ち、途中でMTモデルも設定されていた



唯一無二のSUVがもうすぐ生産を終える

トヨタのクロスオーバーSUVの一角を占め、それなりの人気を誇り、日本国内では2016年12月から販売されていた世界戦略車のC-HRが、残念ながら2023年7月をもって生産中止になるというニュースが飛び込んできた。トヨタC-HRのホームページには、こう記載されている。



23年7月下旬をもって生産終了いたします。



長い間たくさんの客様にご愛顧いただきました。



誠にありがとうございました。



上記に関する詳細はお近くの販売店におたずねください。



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そこで、C-HRの歴史を振り返ってみたい。



上記のとおり、2016年12月に国内デビューしたコンパクトクロスオーバーモデルのC-HRは、4代目プリウスと同じTNGAプラットフォーム採用の第2弾。これまでの多くのクロスオーバーモデルとの決定的な違いは、プリウス一派でありながら、走りを欧州の道で徹底的に鍛え上げ、TOYOTA C-HR Racing仕様がドイツのニュルブルリンク24時間耐久レースに参戦して完走を果たし、ショーカー、コンセプトカーさながらのエクステリアデザインに加え、走りにもかなりの開発エネルギーを費やしていたことだ。



SUV界の異端児なのに大ヒット! ついに生産終了する「C-HR」の歴史
トヨタC-HRニュルブルクリンク仕様



間近に見るC-HRはかなりインパクトの強い存在感を放つ。まさにデザイナーズカーと呼べるスタイリッシュさの持ち主だ。凝ったディティールもさることながら、クーペのようなルーフラインによる全高は、クロスオーバーモデルにして2WD車で1550mm(4WDは1565mm)と低全高。立体駐車場への入庫が容易なだけでなく、スポーティカーに匹敵する佇まい、ルックスを備えていた。



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トヨタC-HR



まだ、いまほどのSUV、クロスオーバーブームではなかったものの、そのカッコ良さと使い勝手の良さ(とくに駐車性)から人気爆発。2017年4月にはSUVとして初の国産乗用車販売台数NO.1に輝いたほどであった。

パワートレインはプリウス譲りの1.8リッターエンジン+2モーターのHV、そして走りに特化した、ある意味C-HRの本質グレードとも言える1.2リッターガソリンターボを用意した。



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トヨタC-HRエンジン



使い勝手も良くバリエーションにも富んでいた

当初、日本仕様のミッションはCVTのみだったのだが、2019年10月の一部改良のタイミングでi-MTと呼ばれる6速MTを設定。i-MTとは、トヨタとアイシンエーアイが共同開発した6速マニュアルミッションで、「i=インテリジェント」というだけあって、シフト操作の際、エンジンの回転数を自動で調整し、変速ショックを抑え、変速、発進操作をアシストしてくれる先進的かつ画期的なマニュアルミッションだ(ON/OFFが可能)。



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トヨタC-HRインパネ



電子パーキングブレーキとオートブレーキホールド機能も備わり、MTでも快適にドライブを楽しみたいユーザーに刺さったのは当然と言っていいだろう。そしてクロスオーバーモデルのMT車と言う特異な設定にも、多くのMT派ドライバーが拍手を送ったものだった。



そのタイミングでGAZOO Racingが手掛けたGR SPORTグレードを新設定。ボディ、足まわり、19インチとなったスポーツタイヤ、専用チューニングの足まわり、パワーステアリングなど、GR化は多岐に渡っていた。



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トヨタC-HR GRスポーツ



2018年8月には先進運転支援機能の予防安全パッケージ、トヨタセーフティセンスを強化。もしいま、新車を手に入れることがままならず、中古車を狙って長く乗るのであれば、先進運転支援機能の観点からもこの年式以降のC-HRをお薦めする。



そんなC-HRの走行性能は、鍛え抜かれたアスリートのようなエクステリアデザインにして、プリウスベースということもあり、標準車のHVの場合、ある意味フツー。出足のトルク感はモーターアシストもあって分厚く、軽やかに加速し走りやすいものの、全開加速では格別に速いという印象はない。エンジンをガンガンまわしてスポーティに走りたい……というなら、エンジンの高回転域の伸びやかさある1.2リッターのガソリンターボがいいだろう。

ちなみに後席はベースとなった4代目プリウスより狭いものの、ラゲッジスペースは意外なほど広く使いやすい。HVモデルならAC100V/1500Wコンセントも装備可能だ。



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トヨタC-HRラゲッジ



そして、2022年8月にはHV、ガソリンターボモデルにMode-Nero Safety Plus IIIといった特別仕様車も展開。2023年の販売台数は1月が1182台で41位、2月は1454台で34位。1-3位を占めるトヨタ車としては不振といってよく、いまではヤリスクロスやカローラクロスといった車格の近いクロスオーバーモデルからRAV4、ハリアーなどがトヨタのクロスオーバーモデルとして幅を利かせているため、個性が強すぎるC-HRの生産中止もやむなき……なのだろうが、そのカッコ良さはボクたちの記憶に永遠に残るに違いない。



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トヨタC-HRエンブレム

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