≪磐越道バス暴走事故≫「昔から運転中に寝てしまうから生徒が横に…」運転自体が危ないと批判されていた若山容疑者…事故直後は救助活動もせず「ボーっとした状態でした」
≪磐越道バス暴走事故≫「昔から運転中に寝てしまうから生徒が横に…」運転自体が危ないと批判されていた若山容疑者…事故直後は救助活動もせず「ボーっとした状態でした」

福島県郡山市の磐越道で起きた、クラブ活動で移動中の高校生が死亡したマイクロバス事故。福島県警が過失運転致死傷容疑で逮捕した無職・若山哲夫容疑者(68)=新潟県胎内市=が事故前に異常な運転を繰り返していたことがわかった。

さらに新潟県内のスポーツ関係者の間に、若山容疑者には正常な運転が困難だと知れ渡る出来事も昨年あったという。これほど危険なドライバーがなぜ、高校生が乗るバスのハンドルを握ることになったのか。

バス事故の約1週間前にも運転していた軽自動車を大破させ…

死亡した新潟市の北越高校3年・稲垣尋⽃(ひろと)さん(17)が所属していた男子ソフトテニス部の顧問・寺尾宏治氏は10日の記者会見で、事故の後にバスに同乗していた他の部員が保護者らに話した内容として、

「事故の前から少し運転がおかしかったというようなことは聞いております。トンネルでこすったとかで、休憩した時に車の片側にこすったような跡があったと聞きました」

と説明した。

若山容疑者は制限速度80キロの区間で「90~100キロは出ていた」と事故時の速度を供述した。しかし、寺尾氏はそのバスには同乗せず、バスの先を自分の車で走っており、事故の発生にも気づいていなかったという。

「私がバスに同乗していれば運転手の異変に気づき、運転を止めさせるなどして事故を防ぐことができたのではないかと思っています」

と話したが、保護者からも同乗しなかったことに強い批判が出ている。

実際、若山容疑者は、バス事故の約1週間前にも運転していた軽自動車を大破させる事故を起こしている。(♯2)「事故は今年に入って数回起こしており、(今回の)バス事故を起こす直前には免許を返納する意向を周辺に漏らしていました」と社会部記者も話す。

負傷者の救護作業を行なっていなかった?

だが、若山容疑者の異常な行動は事故直後にもみられていた。当時救助活動にあたった福島県内の複数の消防関係者の話によると、6日午前7時39分に発生した事故の2分後には119番通報が行なわれ、郡山広域消防組合の消防車両は事故から19分後の7時58分に現場に到着している。

地元メディアによれば、生存した生徒らは重傷を負った生徒の手を握って励ましたり、発煙筒を焚くなど被害の拡大阻止に懸命に動き回っていた。だが軽傷しか負わなかった若山容疑者はそうした活動に加わっていない。

「最初の消防隊が現場に到着した際、運転手は運転席に座った状態で、意識はありましたがボーっとした様子でした」とある関係者は話した。

運転席にいた若山容疑者は、動けない状態ではなかったにもかかわらず、自分が起こした事故の負傷者の救護作業を行なっていなかったとみられる。

「運転そのものが危ないと感じられる状態でした」

運転以外の行動にも異常が感じられる容疑者。県内のスポーツ関係者もその異常さを証言した。

「若山さんは新潟県内の複数の高校で陸上部を指導し、実績のある指導者として有名な人でした。当然部活の移動で、部員を乗せた車を自分で運転したこともありましたが、若い頃から運転中に寝てしまうことがあったと聞いています。

教え子たちは、寝ないようにするために運転中に横について話し相手になっていたという話も聞きました。年齢や持病だけの問題ではなく、以前から運転には不安があったのではないかと思います」(同関係者)

そして、ついにこうした不安が広く認識される問題が起きたという。

「若山さんは数年前から何回か連続して、おおむね春に行なわれてきた『新潟ハーフマラソン』で、棄権した走者を拾うために最後尾を走るバスを運転する役割を担ってきました。しかし普段の言動から『とても運転なんかさせられない』という声が出て昨年からその役を外されています。

スピードを出すとか、運転が乱暴とかではなくて、普段の挙動がおかしくて『この人に運転させたらバスが脱輪して田んぼに落ちるかも』と懸念されたんです。普通に走るバスじゃないですよ。棄権寸前のフラフラのランナーについて行く低速走行も任せられない、となったんです。

若山先生の年齢は68歳ですから、極端な高齢者という年齢ではないかもしれません。

ただ、私が見た印象では年齢以上に体調が悪く見えました。足取りも普通ではありませんでした。会えば一目で『この人に運転を任せて大丈夫なのか』と思う状態でした」(同関係者)

若山容疑者の地元・胎内市によれば、2022年春から会計年度職員としてイベントでマイクロバスを運転する仕事に就いた。市は当時の仕事ぶりについて「無事故で問題はなかった。次の仕事が決まったと聞いた」と説明している。

若山容疑者を金子氏に紹介した人物は誰なのか?

だが、容疑者の近所に住む顔見知りの男性の話も、胎内市職員時代から異変が深刻化していたことをうかがわせた。

「若山さんが市役所に臨時職員で勤めていた2年くらい前、飯豊連峰の登山口のあたりで市が運行するワゴンタイプの送迎車の運転をしてたんだけど、『ごくろうさん』って感じで手を挙げても口をポカンと開けてこっちを見てるだけで、明らかに様子がおかしかった。その後も同じようにボーッとした表情でこちらを見てるだけだった」

今回、若山容疑者を問題のバスの運転手に据えた蒲原鉄道(新潟県五泉市)の営業担当・金子賢二氏は事故があった6日の夜、知人から紹介された若山容疑者とは「(今回)初めてお会いしました」と説明。

運転前の面談や免許証の確認、運転歴や事故歴の確認を「してませんでしたね」と言い切った。

新潟県のスポーツ関係者の間で危険運転で有名だった若山容疑者を金子氏に紹介した人物は誰なのか。そして蒲原鉄道が十分な“能力確認”を行なっていない運転手に運転させたことは今回が初めてだったのか。同社は6日を最後に「捜査中」を理由に取材に応じなくなったが、再度説明をするべきだろう。

※「集英社オンライン」では、今回の事故にまつわる情報を募集しています。下記のメールアドレスかX(旧Twitter)まで情報をお寄せください。
                                    
メールアドレス:
shueisha.online.news@gmail.com

X(旧Twitter)
@shuon_news  

取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班

編集部おすすめ