2026年6月15日、中国メディアの快科技は、人型ロボットを開発する中国のユニコーン企業・智元機器人(アジボット、上海智元新創技術)の二足歩行型ロボット「智元遠征A3(Expedition A3)」が、世界で初めてリモートコントロールや事前設定されたスクリプトの使用、人為的な介入を一切行わない条件下で自律的に卓球のラリーを完遂したと報じた。
記事は、「卓球では球速が毎秒5メートルを超える上、回転や落下地点、軌道が瞬時に変化するため、ロボットには極めて高度な性能が求められる」と説明した上で、「智元機器人の『遠征A3』は、プリセットや遠隔操作による人為的な介入が不可能な状況においても、自律的に視覚情報を認識し、ボールの軌道を予測するとともに、全身の運動制御と正確な打球を実現するクローズドループ制御を行った」と紹介した。
さらに記事は、「今回の技術的ブレークスルーは、智元機器人と北京大学のジャン・シャンハン研究員のチームによる共同研究の成果だ」と説明した。具体的には、人型ロボット向け卓球運動制御アルゴリズム「SpikePingpong」や、北京大学の黄鉄軍(ホアン・ティエジュン)教授が開発した20kHz高周波パルスカメラを活用したことで、ロボットの視覚反応速度は従来の10倍に向上したという。また、ラケットとボールが接触する位置をミリ単位で予測できるようになり、運動制御の精度も大幅に向上したとされる。
記事によると、遠征A3は人為的な介入なしでレシーブやスマッシュを連続して成功させ、攻守の切り替えも安定して行った。その上で「今回の成功は智元機器人が有する高性能ハードウェアと最先端AIアルゴリズムの融合能力を実証するものであり、高速かつ動的な環境における人型ロボットの実用化に向けた重要な基盤を築く成果だ」と述べた。
記事は最後に、「能力の進化に伴い、遠征A3は人型ロボットの運動性能の限界を更新し続けている。これはスピード、パワー、協調性、動的バランス、リアルタイム制御といったコア技術分野で高い水準に到達していることを示している」と指摘した。さらに、「エンボディドAI(身体性を持つ人工知能)は、『歩く、動く』段階から、『理解し、協力し、実行する』段階へと移行しつつある。知覚と制御が融合した新たな発展段階に入り、汎用人型ロボットの大規模普及に向けた重要な技術基盤が形成されつつある」と論じた。(翻訳・編集/原邦之)











