2026年6月23日、仏国際放送局RFI(ラジオ・フランス・アンテルナショナル)の中国語版サイトは、中国の衛星通信網「千帆星座」が米スペースXによる「スターリンク」の独占打破と世界市場のシェア奪取を狙っていることを報じた。

記事は、上海市政府の支援を受ける上海垣信衛星科技がスターリンクの競合相手として新たな衛星を打ち上げ、米国企業の隙を突く形でグローバル市場への進出を加速させていると紹介した。

そして、同社が24年に10億ドル(約1600億円)以上の資金を調達し、現在は軌道上に200基の衛星を保有して海上船舶の追跡サービスを開始しており、30年までに1万5000基体制を構築することを目指していると伝えた。

その上で、スターリンクの急速な拡大が各国政府との緊張を生んでいる背景に言及。相次ぐ値上げに対するアフリカの利用者の憤慨や、規制面での相違によるアジアやラテンアメリカでの契約停滞の状況が、中国企業に好機をもたらしていると評した。

また、具体的な事例として、ブラジルでスペースXの経営者イーロン・マスク氏が現地裁判所の命令に従うことを拒否し、同氏が経営するSNSのXが同国内で使用禁止となった際、習近平(シー・ジンピン)国家主席の訪問を機に垣信衛星科技が通信事業者のテレブラスと契約を締結したことに言及。同社がカザフスタン、タイ、マレーシアなど約30カ国とも交渉を進め、政府間協力を通じて市場を開拓していることを伝えた。

記事は、急成長する同社の姿について、国の補助金によって電気自動車(EV)分野でテスラを追い抜いたBYDになぞらえる声があるとする一方、過去に破産を宣言したイリジウム・コミュニケーションズの例を挙げて衛星通信事業の難しさを指摘する意見や、中国国営企業の中国衛星網絡集団が推進する衛星通信網「サットネット」との国内競争に言及する声も出ていることを紹介した。

さらに、スペースXが誇る「ファルコン9」などの再利用型ロケットに対し、中国は完全再利用型ロケットの商業運用においてまだ実用段階の途上にあり、コスト面での大きな課題となっていることを指摘。一方で、途上国が中国の宇宙インフラへの依存を強めている事実は、米国にとって安全保障上の大きな懸念事項となっていると評した。(編集・翻訳/川尻)

編集部おすすめ