2026年8月12日、中国メディア・観察者網は「円相場が再び1ドル160円に迫る、日本経済にまだ救いはあるのか?」と題し、日米当局による協調介入の後も円安が再発している背景として、日本経済を圧迫する3つの構造的要因が存在していると報じた。

記事は、日米両国による外国為替市場への協調介入後、ドル・円相場が一時1ドル=155円付近まで円高となったものの、その後再び159円台まで円安が進んだと紹介。

中国首席経済学者フォーラム理事長で国際金融研究院院長を務める連平(リエン・ピン)氏の見解として、協調介入は円安の進行速度を一時的に緩和させる効果にとどまり、中長期的な円安基調そのものを変更するのは難しいと伝えた。

その上で、円安の主な要因として日米の継続的な金利差を挙げ、米連邦準備制度理事会(FRB)が利下げに踏み切らない中で、日本銀行が小幅な金利上昇を余儀なくされている状況を指摘した。

また、日本が大幅な利上げに踏み切れない理由について、企業活動がさらに冷え込み、景気後退を加速させるリスクがあると説明。政権の安定性を維持するという観点からも、日本当局は慎重な姿勢を崩せない状況にあると伝えた。

さらに、円安が日本の国内経済や市民生活に深刻な打撃を与えていることに言及。日本は生活必需品や食品の多くを輸入に依存しているため、円安に伴う輸入コストの高騰が直ちに国内の消費価格へ波及しており、日用品の急速な値上がりによる将来的な家計への不安感から国内の消費意欲が低下していると解説した。

このほか、日本経済を揺るがすもう一つの問題として地政学リスクと対中貿易依存を挙げた。日本がレアアースの70%以上、重レアアース(希土類)に至ってはほぼ100%を中国からの輸入に依存する中で、台湾問題をめぐる発言や防衛力強化の動きを理由に、中国側が軍民両用品の対日輸出規制を強化していることに触れ、中国からのレアアース輸入が1年間停止した場合、日本のGDPが1.3%~3.2%減少し、雇用が90万~216万人減少する恐れがあるという大和総研の試算を紹介した。

記事は、金融緩和の限界、輸入物価高による内需の減退、そしてサプライチェーンの地政学リスクが重なり、日本政府や中央銀行の政策対応が手詰まりになっていると総括。国内外で日本経済の成長見通しに対する懸念が強まる中、中長期的な円安傾向と景気後退のリスクが引き続き懸念されていると伝えた。(編集・翻訳/川尻)

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