2026年8月12日、中国メディアの観察者網は、日本が発表した新たな国産旅客機開発戦略の「真の狙い」について考察する航空評論家・張仲麟(ジャン・ジョンリン)氏の評論記事を掲載した。

記事は、日本政府や三菱重工などが提示する新たな国産機戦略「3ステップ戦略」について、第1段階で複合材料や自動組み立てなどの先進製造技術を確立し、第2段階で2030年代に欧米主導の国際共同開発へ参加、第3段階として2040年頃に国際協力のもとで次世代国産旅客機の開発を目指す構想だと紹介した。

その上で、機体構造の製造技術と核心的な統合設計能力の間には大きな隔たりがあると指摘。ボーイングやエアバスなどの欧米大手企業も、将来のライバルとなり得る日本を育てるはずがないと主張した。

また、中国も1990年代に同様の戦略を掲げながら海外企業の意図に翻弄されて頓挫したことを挙げ、日本の新戦略も商業的・技術的に実現性が極めて低いとの見方を示している。

記事は、実現可能性が低いであろう戦略を日本が推進する真の目的について考察。まず、MRJ(三菱スペースジェット)開発で培われたエンジニアチームや企業間の協力ネットワークといった産業基盤の散逸を防ぎ、人材を国内に繋ぎ止めることにあるとした。

さらに第2の目的として、大型複合材料や自動組み立てなどの技術、さらには設計・シミュレーションツールを、英国やイタリアと共同開発する次世代戦闘機(GCAP)へ転用することを挙げ、民生機開発の名目で確保された技術やリソースが軍用機開発にそのまま組み込まれる仕組みになっていると論じた。

記事は、日本の60年にわたる旅客機開発の失敗の歴史にも言及。1960年代に登場した「YS-11」はジェット機時代への移行の中で設計が保守的すぎたため商業的に失敗し、2000年代に始動した「MRJ」もシステム統合能力の不足や米国の型式証明取得の難航により開発が泥沼化し、23年に事業撤退と機体解体に追い込まれたとした。

そして、挫折を経てもなお旅客機開発の構想を掲げ続ける背景には、民生機という名目を活用して防衛航空産業の基盤を維持・強化し続ける戦略的意図が存在すると改めて主張し、かつて日本がこうした工業能力に依拠して侵略戦争を引き起こした歴史に触れ、軍国主義の再燃に警戒すべきだと結んでいる。(編集・翻訳/川尻)

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