2026年8月16日、仏国際放送局RFI(ラジオ・フランス・アンテルナショナル)の中国語版サイトは、米トランプ政権が重要鉱物の脱中国依存を目指して巨額の国費を投入する一方、国内の熟練人材不足が最大のボトルネックとなっていると報じた。
記事は、米政府が重要鉱物供給網の「脱中国」に向けた取り組みを強化しており、過去1年で関連企業へ100億ドル(約1兆6000億円)以上を直接出資したほか、エネルギー省と国防総省が国内14校の鉱山系大学へ計1億8000万ドル(約280億円)を投資し、2028年までに同分野の卒業生を倍増させる計画を掲げていると紹介した。
一方で、米国の教育基盤の縮小が目標達成を阻んでいるとし、1990年代の予算削減や鉱物価格の暴落により、82年に25校あった鉱山系大学が今では14校に減少したことを指摘。バージニア工科大学など主要校における同分野の年間卒業生数が150~200人にとどまるのに対し、現在の市場需要はその3~4倍に達しており、政府の倍増目標をもってしても追いつかない状況であることを伝えた。
さらに、外国人材の受け入れを阻む高度人材向けの就労ビザ(H-1B等)や永住権の制限政策が即効性のある解決策を阻害しているとも論じ、データセンター建設ラッシュによる他産業との人材争奪戦に加え、助成金の具体的な使途に関する行政指針の曖昧さや、業界に対する「環境破壊」というネガティブなイメージも求人の重荷になっているとした。
記事はまた、国家支援のもとで大規模な育成体制を敷く中国との格差にも言及。中国の中南大学1校だけでも関連学科の学生数が約1500人に達しており、中国全体の広範な教育ネットワークが米国を圧倒していることを示した。
その上で、米企業が人工知能(AI)や自動化技術を導入して省力化を進めているものの、これらの技術は既存プロセスの効率化にとどまり、根本的な技能・人材不足の解決にはならないとする、業界関係者の見解を紹介している。
記事は最後に、バージニア工科大学鉱業・鉱物工学科主任のノーブル氏が、米国の鉱業教育体制を立て直すには、業界に対する「汚い、危険、環境破壊的」という時代遅れのイメージを覆す必要もあると指摘し、「鉱物資源の生産はハイテクで価値のある職業なのだという一般的なイメージを確立しなければならない。この取り組みにもはや一刻の猶予もない」と提言したことを伝えた。(編集・翻訳/川尻)











