2026年9月15日、仏国際放送局RFI(ラジオ・フランス・アンテルナショナル)の中国語版は、仏紙ル・モンドの報道として、中国の自動車ランプ大手・星宇で解雇対象となった新卒社員107人が抗議運動を展開し、会社側が譲歩を余儀なくされたことを報じた。

記事は、中国有数の自動車用ランプメーカーである星宇が7月末、今年1~6月の利益減少を理由に「人員適正化計画」を発表し、8月初旬には会社の人事部門が学士や修士を取得したばかりの若手社員140人に対し、15日分の補償金を受け取って退職するか、大幅に給与が下がる生産ラインのオペレーター業務への配置転換を受け入れるかの二者択一を迫ったと伝えた。

そして、33人が配置転換に応じたものの、残る107人は将来への危機感から反発し、労働契約書や面談の録音記録などの証拠を収集して英語に翻訳した上で、星宇の主要な海外顧客であるメルセデス・ベンツ、フォルクスワーゲン、BMWに直接告発する行動に出たとした。

報道によると、ベンツは会社側の措置について8月29日に書面で「指摘された行為はベンツの企業原則に合致しない」と回答し、フォルクスワーゲンも9月1日に調査を開始したという。

また、若手社員らが会社が上場準備を進めていた香港証券取引所にも直接異議を申し立てたと紹介。中国経済誌「財経」の9日付の報道によると、星宇の上場プロセスはすでに停滞を余儀なくされており、市場のアナリストは「短期間での上場はほぼ不可能になった」との見方を示していると伝えた。

国内外からの圧力を受けた会社側は若手社員側への譲歩を余儀なくされ、社員1人あたり1万5000元(約34万7000円)の補償金支給と一時的な住居の提供を提示したほか、11月末までに再就職先が見つからない場合には6カ月分の給与を支払うと約束。地元政府の支援もあり、9月7日までに71人が新たな企業への再就職を果たしたとのことだ。

記事は、今回の衝突の背景として中国の雇用市場における圧力の増大を指摘。中国では今年、過去最多となる1270万人の大卒者が就職市場に流入した一方、7月の青年失業率は17.9%に達し、新卒者はかつてなく厳しい環境に直面していると解説した。また、電気自動車(EV)業界の過酷な価格競争が自動車部品サプライヤーの収益を圧迫し、企業のコスト削減圧力が一段と強まっている状況にも触れた。(編集・翻訳/川尻)

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