箱根駅伝で16年ぶりの優勝を目指す早大は12日~20日まで、新潟・妙高高原で夏合宿を行っている。マラソン15戦10勝のレジェンドでOB会長の瀬古利彦さん(70)が18日、合宿に訪れ、早大とエスビー食品を通じての教え子の花田勝彦監督(55)をはじめ、選手たちを激励。

午前6時から始まった朝練習を見守り、「チームの雰囲気はいいね」と笑顔で話した。

 今季の早大は戦力が充実している。今年1月の箱根駅伝で1区7位の吉倉ナヤブ直希(3年)、3区8位で今季急成長中の山口竣平(3年)、4区区間賞の鈴木琉胤(るい、2年)、5区3位の工藤慎作(4年)、6区6位の山崎一吹(4年)、9区2位の小平敦之主将(4年)ら好選手がそろう。

 そして、昨年12月の全国高校駅伝1区(10キロ)で区間賞の増子陽太(福島・学法石川)、同2位の新妻遼己(はるき、兵庫・西脇工)、同3位の本田桜二郎(鳥取城北)が今春、そろって入学した。8月5~9日に米国オレゴンで開催されたU20世界陸上には3人全員が日本代表に選出された(本田は1500メートル14位・3000メートル3位、新妻は3000メートル11位、増子は5000メートル出場予定も欠場)。

 1990年(平成2年)には日本人高校生初の5000メートル13分台ランナーの武井隆次、3000メートル障害日本高校記録保持者(当時)の櫛部静二(現城西大監督)、全国高校総体1500メートル5位の花田勝彦(現早大監督)が早大に入学。1年目から箱根駅伝で1~3区を担うなど抜群の存在感を発揮し「早大三羽がらす」と呼ばれた。それから36年。増子、新妻、本田は「令和の早大三羽がらす」として期待されている。

 花田監督ら「平成の三羽がらす」を指導したのが、当時、実質監督でコーチだった瀬古さん。早大のレジェンドにしてOB会長の瀬古さんは「令和の三羽がらすの方が上です」と断言した。「令和の時代に合ったコミュニケーションを取って今の学生を激励しています。

その中でも『早稲田のエースは日本のエース』という伝統をしっかりと伝えています」と7月に70歳になった瀬古さんは楽しそうに語る。

 花田監督も「瀬古さんのおっしゃる通り、私たちよりも上ですね。櫛部と武井は強かったですけど、私は弱かったですから。今回の選抜合宿には増子、新妻、本田のほかにも上杉敦史(千葉・八千代松陰出身)、若狭奏汰(滋賀・草津東出身)、和田寛(埼玉・西武文理出身)と計6人の1年生が参加しています。1年生はみんな元気いいです」と話した。瀬古さんは「元気のいいルーキーが上級生を突き上げてチームの雰囲気はいいね」と満面の笑みを見せた。

 早大は、現マラソン日本記録(2時間4分55秒)保持者の大迫傑(35)=リーニン=らを擁して学生駅伝3冠を果たした2010年度以来、16年ぶりのタイトル獲得のチャンスは十分にある。

 箱根駅伝で出場回数と優勝回数ともに歴代トップは中大(来年で100回目の出場、優勝14回)。早大はいずれも歴代2位(同96回目、優勝13回)。名門の2校のほか、4年連続10度目の優勝を目指す青学大、悲願の初優勝を狙う国学院大などを中心に、今季の大学駅伝界も激しい戦いが繰り広げられそうだ。

編集部おすすめ