今注目のアプリ、書籍をレビュー

5

今夜「ゴロウ・デラックス」で特集。三島由紀夫は「本当に意地悪な、本当に嫌なじいさん」になれなかった

2017年8月17日 10時00分 ライター情報:近藤正高
稲垣吾郎がMCを務めるTBSテレビのブックバラエティ番組「ゴロウ・デラックス」。関東地区で今夜放送される回(深夜24時58分~)では、「日本の文豪の素顔に迫る特別企画」と題し、三島由紀夫がとりあげられる。

ちょうど今月9日には、近年発見された三島由紀夫のインタビュー音源を全編活字化し、解説を加えた『告白 三島由紀夫未公開インタビュー』(TBS ヴィンテージ クラシックス編、講談社)が発売されたばかり。番組では同書を課題図書に、これまで知られていなかった三島由紀夫の素顔、文学、芸術、死生観などについてトークが展開される。ゲストには三島由紀夫に関する著作もある作家の岩下尚史が出演。岩下といえば、かつて新橋演舞場に勤め、歌舞伎や能にも造詣が深い。今回公開されたインタビューでは、三島が歌舞伎や能について語ったくだりもあるだけに、まさに解説者にうってつけだ。
『告白 三島由紀夫未公開インタビュー』(講談社)。長らく未公開のままTBSで保管されてきた三島へのインタビュー音源を約半世紀ぶりに発掘し、書籍化したもの。インタビュー中に出てくる三島の評論「太陽と鉄」も再録する

美輪明宏も驚いた「素で話す三島」


三島由紀夫は1970年11月25日、自身の創設した「楯の会」のメンバーらとともに陸上自衛隊の市ヶ谷駐屯地に乱入、隊員らにクーデター決起を訴えたのち、割腹自殺を遂げた。それから今年で47年が経つ。それが、ここへ来てまだ未公開のインタビューが出てくるとは驚いた。なお、くだんのインタビューは1970年2月19日、三島が亡くなる9ヵ月前に収録されている。

『告白 三島由紀夫未公開インタビュー』の巻末では、発見者である小島英人が、テープを見つけ、公開するまでの経緯についてくわしく記している。小島はTBSテレビで長らく報道記者を務め、2005年には「英霊漂ふ~三島由紀夫自決・35年目の夢枕~」というドキュメンタリーも制作した。現在はTBSホールディングスで、TBSの社内倉庫に残るクラシックやジャズの演奏会を収録した音源を発掘し、「TBSヴィンテージクラシックス」というCDシリーズのプロデュースを手がける。くだんの三島へのインタビューもそうした業務のなかで発見された。それも何らかの理由で放送されなかったテープの棚にしまいこまれていたという。

録音された声と内容は三島由紀夫であることはほぼ間違いない。しかし小島は慎重を期して、遺族や関係団体に連絡を取り、公開まで数年をかけて裏づけをとった。一方で、このインタビューは何のために録られたのかについても調査を進める。インタビュアーのジョン・ベスターはイギリス人の翻訳家で、評論『太陽と鉄』(本書に再録)など三島作品の訳者であることがわかった。

ライター情報

近藤正高

ライター。1976年生まれ。エキレビ!では歴史・科学からドラマ・アイドルまで手広く執筆。著書に『タモリと戦後ニッポン』(講談社現代新書)など。愛知県在住。

URL:Culture Vulture

コメント 5

  • tenryu 通報

    気さくな人だったようです。異なる考えの人に対しても感情的にならず、冷静に冗談を交えながら話せた。また若い人に対して威張ることはしなかった。気配りも忘れなかったという。

    4
  • 匿名さん 通報

    彼を真剣に語るにはテレビでは無理だ。表面の人柄の面白さを描くのみでいい。美輪明宏の店に出入りし、『三島姉さん』と呼ばれてたのを愉しい思い出とする。

    4
  • 匿名さん 通報

    三島は平和デモの若いパパやママを手下と一緒に刀で斬り殺すことを計画し、軍事クーデターが起きるのを望んだテロリストで、自衛隊員から「迷惑!」と言われていたんだがライターは知ってて書いてるか?

    1
  • 匿名さん 通報

    三島は軍国主義。

    1
  • 匿名さん 通報

    現在の物差しで彼を見ている気がする。彼がどうしてそういう物を身にまとっていったのか、もう少し深く読み解く必要がある。明治期に彼と同じことをした場合、彼の英傑的な側面は違う評価をされたと思われる。

    0
コメントするニャ!
※絵文字使えないニャ!