新ドラマ『連続ドラマW 石つぶて ~外務省機密費を暴いた捜査二課の男たち~』が11月5日よりWOWOWでスタートする。
2001年に発覚し、政官界を揺るがした「外務省機密費詐取事件」を題材にノンフィクション作家・清武英利が書き下ろした著書『石つぶて 警視庁 二課刑事の残したもの』を連続ドラマ化したのが今作。


このドラマの完成披露試写会&舞台挨拶が、昨日(10月26日)に品川・THE GRAND HALLにて開催されています。
WOWOW「石つぶて」佐藤浩市、江口洋介、北村一輝、元巨人GM清武も登場「血湧き肉躍る」試写会レポ

警視庁捜査二課に属する“石つぶて”たちが、組織に抗いながらも掘り起こしたこの事件の真相とは―。

佐藤浩市と江口洋介が初めて並び立つ


当日は、佐藤浩市、江口洋介、北村一輝、萩原聖人、飯豊まりえ、若松節朗監督といった豪華な面々が登壇しました。
WOWOW「石つぶて」佐藤浩市、江口洋介、北村一輝、元巨人GM清武も登場「血湧き肉躍る」試写会レポ

それぞれが演じる役柄は、以下。
佐藤浩市……捜査二課の偏屈な刑事、主人公・木崎睦人
江口洋介……木崎の上司として捜査二課に異動となった斎見晃明
北村一輝……外務省ノンキャリア職員・真瀬和則
萩原聖人……木崎、斎見の上司として捜査二課を束ねる東田将之
飯豊まりえ……男たちの現場の中で紅一点、捜査二課の新人刑事・矢倉かすみ


───佐藤さんは今回が6年ぶりの連続ドラマ主演ということで注目が集まってます。本作、どのようなお気持ちで出演を決められましたでしょうか?
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佐藤 役者人生あと何年残ってるかわからないんですけど、その中で自分が「楽しい!」と思えるものを。……「楽しい」というのも言い方が変ですね。
やりがいがあるもの、チャレンジングな作品。これは当然、エンターテイメントドラマです。で、当然、フィクションなわけです。ただ、実際にこういうことがあった。事実であったことに我々が推測の中の脚色を加え、ドラマとして成立させる。それを自分たちがやれるということに血湧き肉躍るんですよね。
そういう思いの中、現場で生活していたわけですけど、毎日しんどいです(笑)! そして、そのしんどさの先に桃源郷があるんです。クランクアップという。そのためだけに僕はがんばってます(笑)。

───江口さん、佐藤さんと本格的に共演されるのは今回が初めてということで注目が集まっていますけども。佐藤さんとの共演はいかがでしたか?
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江口 注目集まってますか? よかった~(笑)。佐藤さんとは飲む席でも一緒にさせてもらいまして、今回初めてガッツリ。
8時間の映画を撮ってるような感じでやってるんですけども、こんなチャンスはないと思いまして、佐藤さんの今までやってきたことと背中を見ながら、同じ俳優としてやれるということをすごくうれしく思っています。

───北村さんは捜査二課の皆さんから追及を受けるという外務省役員の役ですけども。先日は、佐藤さんと江口さんが演じる武骨な刑事2人から取り調べを受けるという撮影が行われたということで。緊張感を発した現場だったんじゃないかと思うのですが、いかがでしたか?
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北村 疲れました、いや本当に。本当に疲れました(笑)。取調室ってすごい狭いところで撮影するんですが、そこにカメラが入りスタッフが入り照明が入り、すごい暑い中で朝から夜までずーっと言われて。
何度も何度も言われて、何度も何度もしゃべって、途中で自分が何言ってるか分かんなくなったりもするんですが。ただ、一俳優としてこんな機会はないなと思いますし、すごく素晴らしい時間でした。
佐藤 こっちも疲れたよ(笑)。現実の取り調べというのは、同じことを何度も何度も何度も聞く中で出てくるほころびから相手を追い詰めるという。かなりリアルに近いことをドラマでもやってて、そこら辺は僕らも新鮮なんだけど、もう本当に大変です(笑)。

───江口さんも疲れましたか?
江口 そうですねえ。
もう、死んでました(笑)。

───萩原さんは捜査二課の一員として佐藤さんと江口さんの上司役を演じられているんですが、“年下の上司”役を演じるということでご苦労もあったんじゃないかと思うんですけど、いかがですか?
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萩原 今まで浩市さんと江口さんの部下はやったことあるんですけども、上司は初めてで。監督からも「“上司感”を出してくれ」と言われて、どうやって出そうかなと思ってたんですけど。始め、3人のシーンで僕の机の前にお二人が並ばれた時に、俺は背筋を伸ばしたら“上司感”が出るかなぁと思って、はい(笑)。

───飯豊さん、こんなに素敵な大人の男性の皆さんに囲まれての撮影ってなかなかないと思うんですが、皆さんの素顔が垣間見れるようなエピソードはありましたか?
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飯豊 現場では本当に小娘1人だけなので、「ずっとしゃべらないで帰ろう」と思ってはいたんですが(笑)、撮影での業界用語っていうのを全く知らなくて、それを佐藤浩市さんから教えていただいたりしています!

飯豊まりえが思う“理想の上司”


───飯豊さんが思う“理想の上司”を、このキャストの皆さんの中でお一人選ぶとしたらどなたでしょうか?
飯豊 う~ん。
佐藤 いいんだよ、いないって言えば(笑)!
飯豊 え~っと、1人(笑)。でも、江口さんが演じられている斎見係長は、本当に好きです!
江口 本当に!?
飯豊 はい! 斎見係長のような背中を押してくれる先輩、上司はすごくがんばろうという気持ちになります。

江口 なんかおごってあげるね(笑)
佐藤 いじめてやる(笑)!
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佐藤浩市、30年以上の役者人生に悔やむ過去あり!?


───本作に登場する警視庁捜査二課では、秘密を絶対に漏らしてはいけない「保秘」という暗黙のルールがあります。これまで、どこにも明かしたことのないそれぞれの「保秘」を教えてください。
佐藤 さすがに30数年役者をやってますと、「この作品出なきゃよかった~!」という作品が多いです!
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(場内笑)
───北村さんは?
北村 無いです! 浩市さんが言ったみたいに過去の作品のことは色々自分もあったりしますが、あっても言いませんね、はい(笑)。すみません、まだ生きていきたいので。
佐藤 しゃべったら殺される?
北村 殺されますね(笑)。
───飯豊さん、ありますか?
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飯豊 私、小学校の時に髪の毛をバッサリ切ったことがありまして、その時は友だちに「イメチェン!」って言ってたんですけど、実は、ガムを噛んだまま寝てしまったことがありまして、朝起きたらガムが髪の毛と体に付いてて、それで自分で切ったんですけど(笑)。ガムのせいで髪の毛を切っていたっていう。

北村一輝、自虐する


───監督、見どころはたくさんですね。
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若松 去年に日本の映画の最高峰(日本アカデミー賞 最優秀主演男優賞)を獲った浩市さん、それからメスを持って颯爽と歩く先生(江口のこと)、『冬のソナタ』の萩坊、それから『昼顔』の北村。もう日々、取り調べを受けているような感じで現場は進んでいます。こういう熱い奴らと一緒に撮影をやっていると、スタッフも「負けられないな」という思いで。僕のうしろには50人のスタッフが付いてますから負けるわけがないんですけども、でも手強い相手です。お菓子の差し入れが毎日のように浩市さんから入り、江口さんの特製のお弁当、萩原聖人さんのカレー、北村君のスポーツドリンク。
北村 安いな、俺だけ(笑)。
若松 安かろうが高かろうが、僕らスタッフはとっても助かってます。そんな撮影をしております。

ドラフト会議当日に元巨人球団代表の清武氏が登場!


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第1話の試写上映が終了後、原作者の清武英利氏と若松節朗監督のトークも行われました。

清武 今日はドラフト会議なんで、入り口に立っていましたら、前はよく「清原」って言われたんですけど、今日は「清宮君」って言われて(笑)。私も野球界を離れて6年になりますので、今はノンフィクションを毎日書いています。
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若松 浩市さんが清武さんとだぶって見えたんだよね。清武さんっていう人はジャイアンツにずっといらっしゃって、それでオーナーと大喧嘩をして、歯向かったんですよね? そうじゃないですか?
清武 世間的には(笑)。

最後に、若松監督から一言。
「組織に抗って自分の意志を貫く刑事たち。浩市さんをはじめ、社会人としては全く失格の形です。この人たちが、実にいい仕事をします。北村さんは悪い奴です(笑)。この北村さんの背景に外務省というのがありまして、この外務省の悪さに何とか正義を貫いていく刑事たちの話。とても熱く、とても面白いドラマになったと思います」
(寺西ジャジューカ)