今注目のアプリ、書籍をレビュー

0

のんはやっぱり唯一無二の女優だった。初舞台「ラヴ・レターズ」一日だけの貴重な公演、観てきた

2017年12月16日 09時45分 ライター情報:木俣冬

朗読劇を侮るなかれ


朝ドラ『あまちゃん』(13年)のヒロイン役で大ブレイクし、アニメーション映画『この世界の片隅に』(16年)では、声優として、絵に瑞々しい命を吹き込み、大ヒットの立役者となった、のんが、初舞台に挑んだ。

舞台といっても、朗読劇という特殊なジャンルである。
2時間(途中休憩込)、椅子に座ったまま、ノンストップで戯曲(手紙)を読み続けるという、ふつうの舞台よりも緊張感を強いる、なかなか難しい演目といえるだろう。しかも、出演者はたったふたり。

朗読劇『ラヴ・レターズ』は、パルコ劇場(現在改装中)で、1990年から26年間もの長期に渡り、上演され続けた名作で、のべ460組のカップルが読み続けてきた。出演者は、役所広司×大竹しのぶ、市村正親×熊谷真実、竹中直人×風吹ジュン、野田秀樹×毬谷友子、柄本時生×前田敦子など枚挙にいとまがない豪華な組み合わせばかりだ。

今回は、のんと『この世界の片隅に』で夫婦役を演じた細谷佳正が共演。今秋オープンしたばかりの映画館で行われる趣向に『この世界の片隅に』カップルはよく似合う。
『ラヴ・レターズ』
調布パルコ×イオンシネマ シアタス調布スペシャル
出演:細谷佳正&のん   
撮影:加藤幸広

ふたりが演じるのは、小学生から50代までの長い長い時間、手紙のやりとりをし続ける幼馴染。
開場のときに配られたペラ一枚のリーフレットにのんが、“細谷さんとは「この世界の片隅に」で夫婦役でしたが、一緒に演じることが出来なかったので、今回直接面と向かってご一緒出来ることに興奮しています!”とコメントしていて、『この世界の片隅に』ファンとしては期待が膨らむばかり。

開演前、舞台上には、色違いの椅子がふたつ並んでいる。
劇場スタッフによる、携帯の電源を切ってくださいとか、本番中、劇場から出ることはできないなどというアナウンスが流れ、トイレに行きたくなったら、突如咳き込んだらいったいどうしたらいいんだろうという緊張感に苛まれていると、上手(客席から見て右)の客席脇の出入り口から、のんがすっと歩いて舞台に上がっていった。ワンピースも靴も靴下も鮮やかな赤。
それから少し遅れて、下手(左)から細谷が歩いてくる。彼は上下黒の衣裳。靴下が赤だったことは、座って足を組んだときにわかった。

ふたりは椅子に座り、台本を開く。
第一声は、細谷。それを受けて、のんが手紙を読む。以後、ふたりは、順番に、相手に当てた手紙を読んでいく。

幼馴染の長い長い交流


アンディーことアンドリュー・メイクピース・ラッド三世(細谷)と、メリッサ・ガードナー(のん)はアメリカの裕福な家庭の子供という境遇は同じだが、性格は正反対。

ライター情報

木俣冬

『みんなの朝ドラ』5月17日発売。その他の著書『挑戦者たち トップアクターズ・ルポルタージュ』、『ケイゾク、SPEC、カイドク』など。

URL:Twitter:@kamitonami

「のんはやっぱり唯一無二の女優だった。初舞台「ラヴ・レターズ」一日だけの貴重な公演、観てきた」のコメント一覧 0

コメントするニャ!
※絵文字使えないニャ!