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「万引き家族」絶妙すぎるタイトルが議論を呼ぶ、だが「デッドプール2」との不思議な相似も気になる

2018年6月11日 09時45分 ライター情報:しげる

やってもやらなくてもいい「万引き」


まず「万引き」だ。実はこの映画、万引き家族といいつつ、みんな万引きをあんまりしないのである。正確には、万引きをしないわけではない。映画が始まった瞬間に描かれるのは、リリー・フランキー演じる柴田治と一緒にスーパーに入ってきた子供の祥太が、連携してカップ麺や菓子を盗み出す場面だ。

しかし治にも、そして安藤サクラが演じる信代にも仕事がある。治は建築現場での日雇い仕事で、信代にはクリーニング工場でのパートでそれぞれ働いている。同居している亜紀は風俗店で、初枝は年金でと、主題となる柴田家の人々はそれぞれ仕事や収入を得ているのである。

だから多分、『万引き家族』というタイトルや予告編のイメージほどには、彼らの家計は万引きに依存していない。というか、いわゆる店舗での万引きは治と祥太、そしてふとしたきっかけで柴田家に拾われてきてしまったゆりだけしかしている描写がない。そのままでは収入を得られない子供が「家族」のために手を染める初めての仕事、それが『万引き家族』での万引きの位置付けだ。

なんとなく一家総出で万引きに精を出しているように見えるタイトルだが(少なくともおれは「家族全員で万引きするのか……?」と思っていた)、『万引き家族』での万引きは子供っぽさの残る行為であり、子供と一緒に万引きをする治の人間性を照射するものだ。少なくとも、治以外は誰も子供と一緒に万引きなんかしないのだから。やらなくてもギリギリ生きていける。でも、子供と治を結びつけている強いつながりのひとつが万引きだ。物を盗むことでしか子供と共同作業をすることができない、どうしようもなく身勝手でダメだけど、ダメだと断罪しきることもできない人間、それが治なのである。

いや〜ほんと、「家族」ってなんなんですかね?


もうひとつのポイントが、『万引き家族』の「家族」という部分である。映画を見始めた時は「なるほどリリー・フランキーが父親で、安藤サクラが母親、そんで祥太が子供で、樹木希林が婆ちゃんで、松岡茉優が色々あって一緒に住んでいる感じなのかな……?」と思って見ていたのだが、どうも細かい辻褄が合わない。だいたい、リリー・フランキーは54歳、安藤サクラは32歳である。役柄の年齢が役者の年齢と同じわけではないだろうし、54歳と32歳の夫婦がいたっておかしくはないだろうけど、しかし、こんな人たちが隣に引っ越してきたらどうだろうか。

ライター情報

しげる

ライター。岐阜県出身。プラモデル、ミリタリー、オモチャ、映画、アメコミ、鉄砲がたくさん出てくる小説などを愛好しています。

URL:Twitter:@gerusea

「「万引き家族」絶妙すぎるタイトルが議論を呼ぶ、だが「デッドプール2」との不思議な相似も気になる」のコメント一覧 14

  • 匿名さん 通報

    数の多い少ないじゃねーだろ。万引きは犯罪なんだから。そんな事より膝立てて食事するシーンが…日本の習慣じゃないんだよ。

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  • 匿名さん 通報

    万引きされまくって、首をくくった書店の店長を知ってたら、万引き擁護はあり得ない❗薄っぺらいのは、安易に犯罪を擁護する低脳の方ですよ❗

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  • 匿名さん 通報

    家族の為とか耳触りの良いことを言っても『万引は犯罪』。万引きされた側の被害は「した側」の想像よりはるかに大きい。映画から『弱者は何をしても許される』『そうさせる社会が悪いから』という傲慢さを感じました

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  • 匿名さん 通報

    メタファーとしての「万引き」というものが理解できず、「万引きは犯罪だー」とか薄っぺらぺらな事しか言えない低能は分相応にコナンかポケモンでも観てれば良いのだ。

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  • 匿名さん 通報

    「膝立てて食事」これは日本人ならどんな育ちでも絶対にやらないことなので、暗に「日本に暮らす“膝立てて食事をするのが作法”の国の人」を書いているのだと認識してました。

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