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「半沢直樹」「下町ロケット」「陸王」…ドラマ化は大成功、池井戸潤「空飛ぶタイヤ」映画化の成果に迫る

2018年6月15日 09時45分 ライター情報:木俣冬
地道に己の仕事を全うすることで報われる、勧善懲悪、そういう物語が勇気と安心をくれる池井戸潤の小説は、多くドラマ化され、視聴率も高い。いままで映画化されなかったことが意外だが、このたび『空飛ぶタイヤ』が映画化された。これもまた、逆境に置かれた中小企業の社長がコツコツと努力を重ねて道を切り開くザッツ池井戸作品。そしてこの『空飛ぶタイヤ』こそがいまの池井戸潤を作り上げたエポックメーキング的な作品なのだという。池井戸潤はどうやって状況を突破したのか。
(C)2018「空飛ぶタイヤ」製作委員会
6月15日(金)全国公開

ビジネス雑誌を切り抜いて登場人物一覧表を作った 


──今回、初映画化ということですが、今までも映画化の企画はあったのではないでしょうか。

「そんなにべらぼうではありませんが、映画化の話は来ます。これまではいろいろな理由で実現しなかったんです。今回がしっかりした脚本をいただいたので、これならと気持ちよくOKを出しました。原稿用紙にして千何百枚分の小説を2時間にするにあたり、本筋に関係ないエピソードを落としてしっかりエッセンスだけを残されている。読みの正しさと構成の確かさに、信頼できるクリエーターだと思いました」

──池井戸さんの小説は構成がしっかりしているので、それに倣えば誰もがしっかりした脚本を書けるのではと思いますがそうではないんですか。

「原作ものを脚本化するとき往々にして起こることでしょうが、自分の色を出そうとされることがあるんですね。もちろん変えてもいいんですよ、しっかりしたものになっていれば。ただ、僕の小説はビジネスシーンの連続ですから、そういう経験のない方が改変するのは難しいと思います」

──『空飛ぶタイヤ』は「もっとも大切にしている作品」とお聞きしましたが、そのわけは?

「もちろん、ほかは大切じゃないっていう意味ではないですよ(笑)。デビューして7、8年経ち、それまで書いていた長編のラインから離れていまにつながるベースになっているという意味で大事な位置づけの作品ということです。どういうふうに違うかと言うと、プロット重視ではなく、人間をリスペクトして書くという。たぶん70人くらいの登場人物が出てきますが、全員の人生を強く意識して書きました。それまでは、登場人物の行動をプロット通りに描いていたのですが、この作品では、この人物だったらどう行動するかということだけを意識して書き進めました。思ったように小説が進まなくなってもなお、登場人物が動きたいようにさせたんです。

ライター情報

木俣冬

『みんなの朝ドラ』5月17日発売。その他の著書『挑戦者たち トップアクターズ・ルポルタージュ』、『ケイゾク、SPEC、カイドク』など。

URL:Twitter:@kamitonami

「「半沢直樹」「下町ロケット」「陸王」…ドラマ化は大成功、池井戸潤「空飛ぶタイヤ」映画化の成果に迫る」のコメント一覧 3

  • 匿名さん 通報

    >あと、あまり“正義”とか、“人としてこうあるべき”と思って小説を書いてはいないんです。  下町ロケットのドラマでは、「正義は我にあり!」と主人公の阿部寛さんが、言ってましたが▪▪▪

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  • 匿名さん 通報

    実話のはずですが、そのことには触れないのですね。この話を扱うにはメーカーに対する問題意識が中途半端だと思います。その後どれだけの人間が人生変わったか知ってますか?

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  • 匿名さん 通報

    空飛ぶスリーダイヤ

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