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脳内の「バナナフィッシュ」のほうが500万倍凄いが、これはもうどうしようもない。アニメ化を歓ぶ

2018年7月12日 11時00分 ライター情報:米光一成
吉田秋生『BANANA FISH』(→公式サイト)がアニメ化されてしまった。
学生のころに読んだ脳内のバナナフィッシュのほうが500万倍凄いが、これはもうどうしようもない。
当時の妄想喚起力やら、いわゆる思い出補正的な凄さを、アニメで再現できるわけもない。
『バナナフィッシュ』は、吉田秋生の驚異的な憑依力をもってして、あの時代のエンタテインメントの業のようなものをすべて集約して我々の前に登場した。
だから、『バナナフィッシュ』を読みながら、『バナナフィッシュ』だけを読んでいたわけでなく、その前に吉田秋生が描いた『吉祥天女』やストレートに影響を与えている傑作『日出処の天子』といった作品を透かし見、さらに当時の時代の空気を作品のなかから嗅ぎ取り、絵のタッチの影響から大友克洋のかっこよさを召喚し、もっといえばアッシュがリヴァー・フェニックスで、奥村英二が野村宏伸で、というモデルにしたであろう人物を透視しながら、あの世界に没入していたのだ。
その歓喜。

その歓喜を知るものは、あれをアニメにするなんて考えないだろう。
観ないほうがいいに違いない。きっと失望する。
と思いつつも、観てしまうのがファンのサガ。
思ってたのより良かった(最大級の賛辞)。
原作一巻

原作通りではないが、忠実。
ポリティカルにコレクトネスからはみ出したセリフは省略された。
だが、白ブタマービンがアッシュに「もう映画は撮らないのかい? 俺はお前のファンだったんだぜ」とゲスなことを言うシーン、「昔は仕事のたびにひーひー泣きわめいたもんだったが」というパパディノのセリフ(この直前に肩に手をかける嫌らしい動きはアニメならでは)などは生き残した、すごい。
枝葉の枝の細いところはカットされた(たとえば原作で7ページぐらいかけているワッツの自殺がらみのシーンはアニメでは一瞬。ドクターのところのミス・ブランデッシュは登場せず)が、そのおかげでアニメ的なテンポでぐいぐい進んだ。

『別冊少女コミック』の1985年5月号から1994年4月号に連載された作品で、ベトナム戦争が時代背景にある。
そのあたりをどうするだろうかと思っていたが、驚くことに「いま」にした。
「「刑事コジャック」みたいだ」というセリフは「『CSI NY』みたいだ」に変わった。
アッシュも英二くんもスマホを持ってる!
原作ではグリフィン・カーレンリースが行っていたのはベトナム戦争だったが、イラク戦争になった。

ライター情報

米光一成

ゲーム作家/ライター/デジタルハリウッド大学客員教授。代表作「ぷよぷよ」「BAROQUE」「想像と言葉」等。

URL:Twitter:@yonemitsu

「脳内の「バナナフィッシュ」のほうが500万倍凄いが、これはもうどうしようもない。アニメ化を歓ぶ」のコメント一覧 9

  • 匿名さん 通報

    匿名さん 2018/07/12 19:26、原作読んだことあるのかな…? 最初の頃こそ絵柄は影響受けてるけど、話はぜんぜん別もんなのにね。

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  • 匿名さん 通報

    続きが気になります❗

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  • 匿名さん 通報

    AKIRAの丸パクリだよねこれ。連載時期もかぶる

    1
  • 匿名さん 通報

    結構テンポが速く、原作1巻をほぼ第1話でやってしまった。1クールでどこまでやるのかと思っていたら、まさか最後まで行くつもりじゃ・・・。ストーリーを追いかけるだけの話しににはして欲しくないな。

    1
  • 匿名さん 通報

    麻薬とか、不良グループのあたりとかAKIRAとまったく同じやん。何を見ているの。丸パクリやん。この前のいぬやしきが童夢のパクリだったのでそれつながりやぞ?

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