【Tokyo cinema cloud X by 八雲ふみね 第988回】
シネマアナリストの八雲ふみねが、いま、観るべき映画を発信する「Tokyo cinema cloud X(トーキョー シネマ クラウド エックス)」。
テレビ時代の到来とともに、ドラマの脚本を担当。社会現象を巻き起こすような話題作を数多く生み出して来た橋田壽賀子さんが、4月4日、急性リンパ腫により永眠されました。
2020年には脚本分野においては初となる文化勲章を受章。ますますの活躍を期待されていただけに、驚きをもってこのニュースを耳にした方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、橋田壽賀子さんの代表作とともに、橋田壽賀子作品の魅力を振り返ります。
※写真は、橋田壽賀子さん (C)TBS
『渡る世間は鬼ばかり』~20年以上にわたって時代を映し出した大河ホームドラマ
今日まで55年以上にわたり、テレビドラマの脚本家として第一線で活躍した橋田壽賀子さん。そのキャリアのスタートは、松竹に入社し脚本部に配属されたことでした。
後にテレビの世界に活躍のフィールドを移し、1964年に東芝日曜劇場「袋を渡せば」の脚本でデビュー。「愛と死をみつめて」などの作品で知られるようになり、数々の名作・ヒット作を生み続けました。
そんな橋田壽賀子さんの代表作と言えば、やはり橋田壽賀子ドラマ「渡る世間は鬼ばかり」でしょう。1990年のスタートから2011年までの20年にわたり放送された、10シリーズ・511話にもなる連続ドラマ。その後もスペシャルドラマがつくられ、言わずと知れた国民的ホームドラマです。