村上宗隆が脅威の打棒を見せ続けている。

 勢いに陰りは見えない。

「2番・一塁」で先発出場した現地時間5月8日のマリナーズ戦では、初回の第1打席でア・リーグトップタイとなる15号をマーク。相手先発のエマーソン・ハンコックから95.4マイル(約153.5キロ)のシンカーを巧みに捌き、左中間に特大アーチをかっ飛ばした。

【動画】逆方向へ豪快弾!村上宗隆、15号ソロは8カード連続初戦本塁打

 まさに快進撃が続いている。今の村上は2019年のピート・アロンソが残したMLB全体の新人本塁打記録(53本)はおろか、2022年にアーロン・ジャッジが叩き出したア・リーグ史上最多の年間62本塁打も上回る63発ペースを維持。文字通り記録的な活躍と言っていいだろう。

 もっとも、ここまでの活躍を予測できた者は多くはなかった。ポスティングシステムを施行した際にはNPBでの過去2シーズンにおける空振り率(36%)の高さが影響し、スカウトたちの評価は伸び悩んだ。そうした背景をふまえ、当時の米メディアでは、村上に対して「MLBでは通用しない」と断じる声もあった。

 無論、今も空振りと三振の多さという「課題」は残っている。ただ、村上の圧倒的なパワーはそれを補って余りある。MLBでも十分に通用していると言えよう。

 下馬評を覆された米球界内では、村上に対する認識の甘さを猛省する動きも見られている。

米スポーツ専門局『ESPN』は、「多くの球団が“あらゆる要因が重なった”結果としてムラカミの獲得を見送った。しかし、彼は10数球団のフロント陣に恥をかかせた」とリポート。その中で、村上獲得を断念していた球団幹部たちのコメントも紹介した。

「(球界関係者の)誰にとっても大きな過ちだった。ストライクゾーン内の空振りは不安にさせるんだ。だから、(MLBの)投手レベルが向上している中で活躍を予測するのは難しかった。彼の活躍は予測モデルの盲点であり、どのチームにとっても自信を損なう結果とも言える」(ア・リーグ球団関係者)

「三振や空振りの多さを過度に重視しすぎたのが過ちだった。一方で出塁能力については、彼に十分な好意的な解釈を与えていなかったかもしれない」(ナ・リーグ球団幹部)

 データ解析が急速に促進し、選手をより細かく見定めている昨今のMLBスカウトたち。そんな百戦錬磨の目利きでさえも、村上の才覚を完璧には見抜けなかったのかもしれない。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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