ワールドカップを横目に、ハーフタイムショーの必要性を説くインファンティーノ会長(右)。シャキーラ(左)ら豪華アーティストを招く同イベントは注目度も高いが…(C)Getty Images

 一世一代の檜舞台を彩る“ショータイム”は、サッカー界に必要か否か。

現地時間5月14日に豪華出演者も決まった北中米ワールドカップ(W杯)決勝戦でのハーフタイムショーを巡って議論が巻き起こっている。

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 実施されるのは、現地時間7月19日にアメリカのニュージャージー州にあるメットライフ・スタジアムで行われる決勝戦だ。アメリカンフットボールの最高峰『NFL』のリーグ優勝決定戦である「スーパーボウル」で実施されているハーフタイムショーを模倣し、試合の合間を利用した約25分間にわたって展開される予定だ。

 すでに国際サッカー連盟(FIFA)は、韓国の世界的ボーイズグループ『BTS』を筆頭に、マドンナ、シャキーラの出演を公表。世界的人気アーティストたちによるスペシャルステージは、「(今W杯を)世界最大級のスポーツ大会にする」と意気込むジャンニ・インファンティーノ会長が、根強く推進した企画であり、サッカー界の新たなイベント運営形態にもなりえる。

 チケット収益、さらには放映権料の回収も含めて、より幅広い層の獲得は必須。それだけにハーフタイムショーを「斬新なアイデアだ」と好意的に取る意見も目立つ。ただそれ以上に多く集まっているのは、ファンやメディアからの反感だ。やはり国の威信を懸けるW杯決勝で、試合展開にも影響しうる25分も費やしての競技とは無関係なイベントの実施に違和感を覚える人々は少なくない。

 実際、現場からも「ハーフタイムショーの必要性」を問いかける意見は、過去にも上がっていた。2024年にマイアミのヘッドロック・スタジアムで開催されたコパ・アメリカ決勝においても、シャキーラによる25分間のハーフタイムショーが実施された。だが、通常の15分のハーフタイムが伸びたことにアルゼンチン代表と激闘を繰り広げたコロンビア代表が猛反発。

ネストル・ロレンソ監督は「正直言って理解できない」とし、「ドレッシングルームでリカバリーをする数分間……その時間で、もう一度、戦えるレベルに達するために何が必要なのかを人々は理解していない」と嘆いた。

 当然ながら、今回のW杯決勝でのハーフタイムショーの実施に対するハレーションは広まっている。メットライフ・スタジアムのお膝元であるニューヨークの日刊紙『New York Post』は「通常のハーフタイムは15分であり、その時間内に3組の著名なアーティストを出演させるのは、競技そのものにロジスティクス上の問題が生じさせる可能性がある」と糾弾。「そんなものは必要がない。人々はサッカーと選手を見るためにワールドカップを見ている。それを他でもないFIFAが理解していないとは……」と指摘。やはり正真正銘の「世界一」を争う場の価値を軽んじるイベントに対する違和感を論じた。

 W杯をよりポピュラーに広めるために実施される決勝でのハーフタイムショー。しかし、FIFA幹部たちの思惑とは裏腹に、サッカーを愛する人々たちからの反発は避けられそうにない。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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